木製、シリコン製、金属製…ひとつ買うならどんな菜箸がいちばん?
これまで本連載ではきほんの調理道具を解説してきました。きほんといえば「菜箸」もその一つ。菜箸とは料理用の箸で、通常使う食事用の箸よりも長いのが特徴。割り箸や食事用の箸で代用している人もいますが、鍋から野菜をとりだしたり、フライパンの中身をかき混ぜたり……という作業には菜箸が便利です。箸が長ければ熱くないですし、大きい材料も掴めます。
素材は木製や竹製、シリコン製、金属製など様々。木製や竹製はしなりがあり、食材への当たりもやわらかく、さすがに長く使われてきただけのことはあります。弱点は食器洗浄機にはかけられないこと。一方、シリコン製の箸はやや高価ですが、食器洗浄機にかけられるのが長所です。ただ、シリコン製は芯材が金属であることが多く、しなりがないので意外と使いづらいでしょう。また、耐久性のなさも気になります。
金属製の箸は揚げ物用として人気です。ただ、食材や鍋、フライパンを傷つけやすく、やはりしなりがないのであまりオススメしません。いずれにしても菜箸は普通の箸とは違い、塗装なども熱に強く、食材も掴みやすいように工夫されています。
一般的な菜箸の長さは約30cm。なかには38cmのような長い菜箸もありますが、やはりこのサイズが使いやすいと思います。菜箸の使い勝手については〈「菜箸」の調理機能性と使いわけ〉という面白い論文があります。これは
1 菜箸の長さ
2 紐の有無
3 滑り止めの有無
4 揚げ物に向いているのは金属製か竹箸か
をそうめんを茹でたり、卵を焼いたり……という風に被験者86名に実際に料理してもらい比較検討したもの。まず長さについては30cmと33cmを比較し、やはり30cmが使いやすいという結果でした。
次の「紐の有無」は紐がない方が使いやすいという結果。紐で止まっている菜箸を見たことありませんか? 紐で止めるのは収納時にひっかけて乾燥させるためなのですが、使いづらいので切ってください。
また、滑り止めはあったほうが滑りにくいようで、揚げ物に向いているのは竹箸という結果でした。これらの情報も一つの参考になりそうです。