結婚と性の相性は別だと思う

婚活から急展開を迎えた麻衣子の人生。交際0日で同棲が決まり、さっそく部屋探しが始まります。次は何が起こるのでしょうか? 著者の体験を元に「港区女子」のその後を描いた小説です。


「家を決めよう」
2月の第2土曜日、そう言われて彼の部屋に呼ばれた。
彼はパソコンをテレビに繋いで、二人でより見やすい環境を作ってくれていた。
「いい物件あった?」
会える時間が少ないので、各々で物件を探しておこうという宿題を課されていたのだ。
「軽く見ました!」
彼はそのパソコンのインターネットで住宅情報サイトを開き、住むエリアはこの辺りでいい? 1LDKはほしいよね?と私に軽くヒアリングをしながら絞り込みをして検索をかけた。該当する物件はたくさんあったが、築浅、駅から徒歩10分などの条件をプラスし、最終的に3件まで絞り、午後不動産屋へ行くことになった。

そして次に、「予算感なんだけど」と彼は保存してあったエクセルのファイルを開いた。
するとそこには、家賃、光熱費、食費などの各項目の横にざっくりと数字が書かれてあった。
「調べたんだけど、二人暮らしだと一般的にこのくらいらしいよ」
彼はインターネットを駆使して二人暮らしの場合の家計基準を調査し、だいたいの見積もりをエクセルで作成していたのだ。
「さっき絞った物件の家賃はだいたい16万くらいだとして…」と、彼はさらにその表に家賃を入力。すると他の数字も自動的に変わるよう計算式が入れてあった。
「仮に3:1の割合だとすると、オレが18万、麻衣子ちゃんが6万という試算でどう?」
生活にかかるすべての金額の合計を試算し、そこから割ろうという提案だった。
圧倒的な段取り力に驚いたのと、3:1としてくれる経済力、包容力、優しさ、文句など一つも浮かばない。私は優柔不断な性格に加え、特別に拘りといったものがないので決めてもらってとても助かったし、これから生活を共にする人として頼り甲斐のある人だと心から安心した。

物件と予算の話し合いが終わり、昼食をとろうということになった。
「近くに美味しい弁当屋があるんだけど、それでよかったら自転車で買って来るよ」
てっきり近くへランチを食べに出かけると思っていたので、弁当?と思ったが、お願いすることにした。買ってきてくれたホワイトソースハンバーグ弁当は実際にとても美味しかった。どうやら近くのお米屋さんが作っているお弁当らしい。

食事をとりながら、ふと、疑問に思っていたことを聞いてみた。
「どうして、私と同棲しようと思ってくれたんですか?」

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バラの命は短くて

一色トワ

麻衣子、30歳。20代の頃は商社マンやIT社長たちから口説かれ、合コンやパーティー三昧の日々を送っていたのに、30歳となった今、気が付けばもう誰からも飲みに誘われなくなっていた。キャリアがあるわけでも、なにかやりたいことがあるわけでも...もっと読む

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コメント

alexandre_ishii #SmartNews はい?w https://t.co/yoZPGXkR9o 2ヶ月前 replyretweetfavorite

nekonosara28 港区女子の「その後」。一色トワさんの婚活恋愛小説、7話めがcakesで公開されました🍀 (挿絵を描かせていただきました😊) 2ヶ月前 replyretweetfavorite