♪『東京電脳探偵団』はこちらから聴けます♪
リンは一緒に帰ってきた二人を見るなりソファから飛び起きて、
「えええええー? なぁんでミクちゃんとレンが一緒に帰ってくんのー?」
バタバタと小走りに部屋の隅へ行き、
「あーあ、あたし仲間はずれなんだ。仲間はずれなんだ。わー」
と、のんびり寛いでいたであろう猫たちに混ざって床にゴロゴロと転がった。服に猫の毛が纏わりつくのなんてまったく考慮していない。
ミクが慌ててなだめ始めた。
「リン違うんだ、レンに探偵仕事の依頼のことで相談されて、それで——」
「うっさいっ、なにが探偵だっ! あんなのレンの自己満じゃないかーっ、くだらねえ! マジくだらねえ!」
リンはミクが思っているよりも本格的にへそを曲げているようだ。ばっ! と立ち上がると、今度はつかつかとリビング奥の廊下に突き進んで行き、突き当りの自分の部屋に入ってドアを閉めてしまった。ドアには大きく”入場料一回ワンコイン500えん”と書いた紙が貼ってあり、何人たりとも入場料を支払わずに立ち入ることはできないことを示していた。
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