いよいよ分娩室へ!
前回まで、臨月の地味な苦しさ、陣痛がないまま出産のために入院にいたったこと、そして、フランスでは珍しくない看護師さんたちの冷たいあしらいなどについてお伝えしてきました。日本とフランスでは、出産と、それを取り巻く環境と人間がかなり違うことを知ってもらえたのではと思います。
フランスでの出産入院や、無痛分娩にかかる費用がすべて保険負担であることは、日本とは違ったメリットです。どの国にも、いいところ、悪いところがあるわけですね。
さて、今回はフランスでは主流の無痛分娩に挑んだ体験レポートです。「無痛分娩」といっても、実は出産の最初から無痛で過ごせるわけではなかった実情や、フランスならではのアクシデント、途中から麻酔が効かなくなって大変だったことなどを紹介していきます。いやはや、結局、無痛分娩と自然分娩の両方を体験できることになったのでした。
いざ、無痛分娩を体験
入院1日目は、陣痛促進剤を処方されて一日中陣痛を感じたものの、出産までいたらず。結局、入院2日目の朝に個室から離れて分娩室へ移動し、前日よりもっと強い陣痛促進剤で出産までこぎつけることになりました。
出産まで18時間に及ぶ、痛みとの戦いがスタート
この日もまた、薬のおかげで陣痛が再スタート。痛みが起きる間隔はまだまだ長いので、数分の痛みを耐えれば、次の陣痛に備える休憩時間がやってきます。なんとか痛みをやり過ごしながら、夕方15時くらいまでは、まだ心に余裕を残して過ごせていました。
毎時間に1回のペースで、担当の助産師さんが、お股に指を突っ込みどれくらい赤ちゃんが降りてきているか、子宮口が開いているか(赤ちゃんが出てくる穴の開き具合)などをチェックしに来てくれます。
その感覚はなかなか慣れずに気持ちが悪いものですが、今回担当してくれた助産師さんは運良く優しいマダムで、安心してサポートしてもらうことができました。
しかし、夕方頃になっても、まだまだ無痛分娩の麻酔をかけるには不十分な子宮口の開き具合とのこと。とはいえ、陣痛の強さは明らかに朝よりも強くなってきていて、「もう、これ以上の痛みを耐えるのは無理かもしれません。そろそろ麻酔を打ってもらえませんか?」と、額に脂汗をにじませながら正直な訴えをしたところ、案外、すんなりと無痛分娩の準備をスタートしてくれることになったのです。
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