※牧村さんに聞いてみたいことやこの連載に対する感想がある方は、応募フォームを通じてお送りください! HN・匿名でもかまいません。/バナー写真撮影:田中舞 着物スタイリング:渡部あや
「こんな私を認めてください」
ってなることは、自分という存在を他者に明け渡すに等しいことだと思うんですよね。そいつらに認められなくたって、存在してんじゃん、もう。って、思うんです。
隔週水曜朝10時、人生の次のページに何を書くか著者がアドバイスしないで読者自身が考えるのを手伝う人生相談「ハッピーエンドに殺されない」。
過去には、こんな記事をお送りしました。
今回いただいているおたよりは、「人生が怖い。HSPとか、○○障害とか、自分の苦しみを説明してくれる言葉を探してしまう」というものです。
そういう言葉って、こう使っていきたいなって、わたしは思ってるんですよね。
×「こんな自分を誰かに認めてもらうため」
○「自分が自分とよりよく付き合うため」
こんな自分を認めて!って姿勢だと、なんていうのかな、「自分がここにこうしていてもいいという感じ」の決定権が他者に渡っちゃうでしょ。そんな根本的なこと、他者に渡せないですよ。
それにその姿勢だと、自分を生きづらくしている社会構造に対しても従順になってしまう。「なぜつらいのか」って考えたときに、「自分が○○だからだ。ああ、みんなと違う○○の自分はつらい、苦しい、生きづらい、みんな○○を認めて」ってなっちゃうでしょ。そうじゃなくて、「つらいのは世の中がこういう仕組みだからだ。これをこう改善していけるのではないか」って発想でいきたいんです。一生「かわいそうな○○」をやらされたまま、大きな仕組みにまんまと巻き込まれて生きるの、わたしは嫌なので。そんなに従順でいさせられてたまるかよ、って、思うので。
取り戻していきます。自分の人生の物語を書くペン、自分の手に。それでは、今回のおたよりです。
こんにちは。まきむぅさんの文章を読むのが好きです。
今大学4年生で都内の大学に通っているものです。しかし、昨年就職活動に行き詰まりを感じ韓国に留学を決意し今留学中です。
幸いにもこのような決断をしても両親は許可を出してくれて行動に移せたこと本当に感謝しています。
しかし留学先では思ったように友達ができなかったり、語学が上達しなかったり、一体何をしたかったのか、結局なにも私は変わらなかったのではないかと自問自答を続けて布団の上から動けなくなってしまいました。結局私は何もできないのだと。留学に来て、語学も身につかなかったら私はダメ人間になってしまうと思ってしまいます。
それで自己分析をしてみました。
私は、自分の足で稼いで自立するという不安が今強いのだと思います。就活も平行して続けないとと思うけれど、それに関する情報が出てくれば出てくるほど怖くなってしまって、ネットを見ることができず自分を弱者にする情報ばかり探してしまいます。人生相談を見るのも好きです。自分のような欠陥人間でも褒めてもらえるような気がして、大丈夫だよと言ってもらえるような気がして、私はずっとやらない理由を探しているような気がします。でも結局は何かでお金を稼いで生きていかなければいけない。
結局自分は自分の人生を生きるのが怖いのかもしれません。そして人生相談上であなたの人生はダメだと言われる人間になるのが怖いのだと思います。
結局あなた自身が悪いですよと言われるのが怖くて、自分の人生を生きるのが怖いです。弱者の仮面をずっと探してきました。発達障害、HSP、強迫障害、双極性障害、、、等々。けれど、このような言葉を私を慰めてくれるのは一時的です。人生相談もしかり。
自分の人生を生きる恐怖をどのように立ち向かえばいいですか。
もう、立ち向かってると思いますよ。その恐怖こそ、立ち向かってる証だと思います。
わたしも立ち向かってます。ずっと怖いです。牧村朝子として仕事をして11年目になりますが、いまだに「今後食っていけなくなるのでは」という恐怖で布団にくるまってめそめそと2~3時間泣くことがあります。特に2020年4月頃は怖かった、コロナでの仕事キャンセルとかが相次いだので。ちょっとここからは、不幸自慢じゃないですけど、「立ち向かっとる証としてずっと怖い」って話を何行か具体的に書きますね。