コロナ禍のもとでの年末年始
写真ACによるirumamさんの写真
今年の年末年始は一瞬で終わってしまった。
時間の流れ方は不思議なもので、やるべきことがたくさんあると、そのときには時間が早く経つように感じられるが、後になれば長い時間が経ったように思える。
逆に、やることがほとんどない場合には時間はなかなか進まないが、振り返ると一瞬で過ぎたように感じられる。
年末年始の時間の経ち方はまさに後者だった。
忘年会、実家に帰る、親戚と会う、友達と遊ぶ、初詣、初売り、新年会……。
毎年当たり前のように行っていたことができなくなり、多くの人がいつもと違う年末年始を過ごしただろう。
私も例年通りなら、東京にある元妻の実家へ子どもたちを連れて行き、数日間はひとりでのんびり過ごすはずだったが、今年は京都の自宅からほとんど出ないで過ごした。
長女の通う小学校が12月24日から冬休みに入った後も28日まで学童保育に通わせていたので、子どもたちの休みは29日から。
私は30日まで仕事をしていたので、31日から休むことにした。
私の仕事は自宅で文章を書くことだ。
小説や、この連載や、Webメディアの記事などを書いている。
文章を書くことは子どもの頃から好きだったので、ほとんど苦にならない。
お金をもらえなくなり、他の仕事をせざるを得なくなっても書くことはやめないだろうから、書くことだけで生活ができていることがとてもありがたく思える。
お金とは関係がないところで書くことが好きなんだから、年末年始も仕事をしているんだろうなと思っていたが、31日になるとパソコンの前に座る気力がなくなった。
マンガやアニメが大好きな子ども達
写真ACによるありさんさんの写真
大掃除をするつもりでもあったが、子どもたちと一緒におもちゃ箱の整理をしただけで力尽きてしまった。
夕方になり、ようやく気分が休みモードになってきたので、GEOにマンガを借りに行くことにした。
『約束のネバーランド』が気になっていたので10巻まで借りて、帰りにスーパーで食材を買って帰った。
豚汁を作って食べてお風呂に入ってからは、子どもたちと一緒にアニメを観てだらだらと過ごした。
去年の夏頃に『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』を観てから私は京都アニメーション制作のアニメ作品が大好きになり、子どもたちと一緒に順番に観ていった。
『聲の形』、『たまこラブストーリー』、『たまこまーけっと』、『けいおん!』、『劇場版ヴァイオレット・エヴァ―ガーデン』、『響け!ユーフォニアム』……どの作品も素晴らしく、気に入った回は繰り返して観た。
京都アニメーションの作品の魅力は、丁寧で繊細な作画と演出だ。
キャラたちの、主に思春期特有の複雑で言語化しづらい感情が、セリフや月並みな演出ではなく、ちょっとした仕草や表情、情景描写などで表現されている。
そうした表現に触れて、言外に読み取れる意味をあれこれ想像するのが楽しいのだが、それを子どもたちと共有できることはさらに嬉しい。
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