見る人を惹きつけ、満足度を高めるストーリーの構成法

誰もが発信する時代に、見てくれる人に興味をもってもらい、感動を生み出すストーリーの作り方を紹介する連載。第3回は、ストーリーの「構成」についてです。構成と聞いて、一般的に思い出されるのは「起承転結」や「三部構成」ですが、ここでは7つのポイントを軸に解説していきます。

一般的なストーリーの基本構成

第3章はいよいよ、ストーリーの根幹と言ってもいい「構成」についてです。

構成と言われて、一般的に思い出されるのは「起承転結」でしょうか。少し詳しい人なら「三幕構成」「序破急」のような型もご存知かもしれません。これらは言葉は違えど、共通しているところも多い概念です。ドラマや映画の世界では「三幕構成」という言葉が一番多く使われていますが、Wikipediaでは次のように説明されています。

第一幕「設定」:誰が、何をするストーリーであるのかが設定され、主人公の目的が示される。
第二幕「対立、衝突」:主人公が自らの目的を達成するために、その障害と対立、衝突する。第二幕の後半には、主人公が敗北の寸前まで追いつめられる。
第三幕「解決」:ストーリーの問い、すなわち「主人公は目的を達成できるのか?」という問いに対する答えが明かされ、その問題が解決される。

ここで一番重要なのは、第二幕のラストで「敗北の寸前まで追い詰められる」と書かれているところです。これを私は「ボトム」と表現しています。

つまり、ストーリーは、

・CQ(セントラル・クエスチョン)が提示され
・一度ボトムに落ち
・復活してクライマックスを迎える

という構造になっています。これは「起承転結」や「序破急」の場合も基本的に同じです。また、最初から下降していくようなストーリーは見ていて苦しくなるので、序盤は順調だけれど、あるところから「ボトム」に向かって落ちていくことが多くあります。


結果、これらをまとめると上の図のようになります。これが私が「ドラマカーブ」と呼んでいる、ストーリーの基本構成です。本によっては「感情曲線」と呼ばれたり、シンデレラのストーリーを引き合いに「シンデレラ曲線」なんて言い方をされることもあります。

私はこのドラマカーブで重要なポイントに7つの番号を振っています。

①CQ:CQの提示
②プチハッピー:CQの達成に向けて前進する
③ボトム:ドン底。CQがもはや達成できないくらいピンチ
④再起:何らかの転換点があり復活、再起する
⑤上昇:クライマックスに向かってぐんぐん上昇する
⑥クライマックス:CQの結果が出る。
⑦プラスα:伏線回収、どんでん返しなど

これを多くの人が知っていると思われる、日本の歴代映画興行収入ランキング第1位(2020年11月時点)の『千と千尋の神隠し』に当てはめてみます(ネタバレを含みますので、結末を知りたくない方はご注意ください)。『千と千尋の神隠し』は千尋という少女が、引っ越し先へ向かう途中に立ち入ったトンネルから、神々の世界へ迷い込んでしまうストーリーです。千尋は、人間の世界へ帰るために、湯婆婆の経営する銭湯で働きながら奮闘して、最後は無事に戻れるわけですが、『千と千尋の神隠し』のドラマカーブは次のように考えられます。

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人の心を動かすストーリーの作りかた入門

たちばな やすひと

誰もが発信する時代に、どうやって自分の作品に興味をもってもらい、見る人の心を動かすことができるのでしょうか? 人はどんなストーリーに惹きつけられ、どういう時に感動するのでしょうか? Netflix『全裸監督』はじめ、数々の映画・ドラマ...もっと読む

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