もうすぐクリスマスですね。今年は皆さま、いかがお過ごしになるのでしょうか。とっておきのレストランで、美味しい食事と雰囲気を楽しむのでしょうか。または、おうちでパートナーとふたりだけの時間を過ごすのでしょうか。
イベントごとがあると、つい「もう付き合って3年目だね」みたいな意識をすることも多いかと思います。もしかしたら、「そろそろ結婚の話をしてくれてもいいのに」なんて思うこともあるでしょう。
でも、ちょっと待って。あなたがそう思ってふたりの将来の話をした途端、相手は不意に出た話に「まだそこまで考えてなかったんだけれど……」と、顔を曇らせるかも。記念日で楽しい気持ちが盛り上がっているからこそ、あなたとの感覚のギャップを余計に感じてしまい、それこそ別れ話になってしまうこともあるかもしれません。
だからといって、待つばかりでは、いつまで待てばいいのかと不安にもなると思います。では、どうやって相手に負担がかからないように話したらいいのか。今回はそんな、「大切な話」を切り出すときのポイントをご紹介します。
伏線を駆使して1杯3000円の食後酒を売る技術
「振られても好感度が上がる『告白の作法』」の回で登場した、グラッパという食後酒があります。イタリアワインの葡萄を使って作られた、ブランデーの一種です。
グラッパというお酒は、一本2000円くらいのものから3万円以上する高価なものまで、多様な種類があります。アルコール度数は30〜60%という強いお酒です。
僕はこのグラッパが大好きでして、イタリアンのコース料理の締めとして、お客様にもぜひ楽しんでいただきたいと思っていました。だから、レストランで働いていたとき、「仕入れさせてほしい」とオーナーに交渉をして実際に入れてもらったこともあります。
もちろん、仕入れるだけでは棚の肥やしにしかなりません。入荷したからには売らないといけない。逆に、たくさんのお客様に召し上がっていただけたのなら、それが他の種類のグラッパを仕入れる口実にもなります。僕はたくさん飲んでいただこうと、一生懸命に頑張りました。
でも、想像してみてください。普通の人がめったに飲んだことのない食後酒です。レストランに行ったとき、勧められたからといって、そういうお酒をあなたは注文するでしょうか。おそらく9割以上の人が頼まないでしょう。
価格の面だけあげたとしても、コース料理が1万円くらいのそのレストランでは、最低でも800円。高いものは1杯3000円を超えるものもありました。気軽に注文できるお酒ではないですよね。
だから、僕のグラッパに対する思いがいくら情熱的なものだったとしても、お客様の気持ちとはすれ違いが生じかねません。「こんなに美味しいのに!」と思っても、それだけでは伝わらないわけです。
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