​誰が東京を作っているのか

18歳の時に徳島から上京し、今年で東京に住んで33年になったbar bossa店主・林伸次さん。常々疑問に感じていた「東京人」問題について考えます。林さんの新刊『大人の条件』、絶賛発売中です!

フランスの方から言われた意外な一言

いらっしゃいませ。
bar bossaへようこそ。

以前、よくお店に来ていた日本語ペラペラのフランスの方から、「日本に住んでいる外国人って変わった人が多い」と言われてびっくりしたことがあります。彼女は長く日本に住んでいたので、何かと日本在住の外国人のコミュニティに誘われることがあるそうです。そういう場所に行ってみると、「ちょっと変わっているなあ」と感じる人が多いのだとか。僕から見て、彼女本人はいたって常識的な方だったのですが、「なるほどなあ」と思いました。

ちょっと外国人の気持ちになって考えてみましょう。アメリカで、あるいはフランスで、あるいはインドで生まれて育ちますよね。そして、高校生の時に日本のアニメに出会って、夢中になって、大学は日本語を専攻します。そして日本に留学して、日本人や日本の文化に触れて、「日本、最高!」って感じてくれて、日本で就職したり、日本で住んでみることを選んだ人たち。

もちろんみんながみんなそういう人じゃないにせよ、日本語って難しそうですよね。漢字があって、かな文字も2種類あって、文法もかなり難しいはずです。国民性も「外国人いらっしゃい!」って感じじゃないですよね。そんな大きな壁を乗り越えて日本に来てくれる人を、僕が「ちょっと変わっている人」とはとても言えないですが、冒頭のフランスの方がそう思うのもわかる気がしますよね。

このエピソード、すごく好きで、バーのカウンターで色んな人に話してみてるんですね。そしたらほぼ全ての人が「そう言われてみれば、海外で暮らしている日本人もちょっと変わっているかもしれない」と言います。要するに、国境を越えて、言語や習慣が違う場所で永住できる人は、なかなか珍しい人ということなのでしょう。

僕、四国の徳島から18歳の時に東京に出てきて、33年間も東京に住んでいるんですね。もう完全に東京の方が長いんです。香港もソウルもリオデジャネイロもロンドンも札幌も神戸も鎌倉も好きなのですが、やっぱり東京が好きなんですね。さらに言うと渋谷が一番好きなんです。日本橋の方で落語を見て、銀座線で渋谷に戻ってくるとホッとしますし、もちろん海外旅行から戻ってきて、羽田から渋谷に来るとホッとします。

地方出身の東京人の特徴
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ワイングラスのむこう側

林伸次

東京・渋谷で16年、カウンターの向こうからバーに集う人たちの姿を見つめてきた、ワインバー「bar bossa(バールボッサ)」の店主・林伸次さん。バーを舞台に交差する人間模様。バーだから漏らしてしまう本音。ずっとカウンターに立ち続けて...もっと読む

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コメント

datadisk_tokyo 異国にいった人、異国にいる人、という感じで、故郷から思っていました。 誰が東京を作っているのか|林伸次 @bar_bossa | 3ヶ月前 replyretweetfavorite

Orange__People 誰が東京を作っているのか|林伸次 @bar_bossa |ワイングラスのむこう側 https://t.co/oPpCqsze9P 3ヶ月前 replyretweetfavorite

MaxHeart24 → 誰が東京を作っているのか|林伸次 @bar_bossa | 3ヶ月前 replyretweetfavorite

haiirotom 誰が東京を作っているのか|林伸次 @bar_bossa | 3ヶ月前 replyretweetfavorite