フランスワインを飲もうというのに、あえてメジャーなボルドーもブルゴーニュも選ばず、ローヌのワインをわざわざ手に取ってみる。
ここらへんから、ちょっと「ワイン通っぽい自分」としての自覚が出てくるのではないでしょうか。
ボルドーを選ぶか、ブルゴーニュを選ぶかは「オレンジジュースか、グレープフルーツジュースか」という感覚に近く、味の傾向で選ぶことができました。
ところがローヌの場合はそうはいかず、ジュースでたとえるならローヌは「自動販売機」のようなものです。自販機にはコーヒーもお茶もジュースもあるのが普通だから、「今日はコカ・コーラの自販機ではなく、サントリーの自販機にしよう」という選び方はなかなかしませんよね。
それくらいおおざっぱで、幅広い味をカバーしているのがローヌという地方です。
だから「ローヌだから飲もう」というよりも、好きな品種が使われているから、または好きな銘柄があるからたまたまローヌを選ぶということになりそうです。
ローヌは全体的に、ボルドー&ブルゴーニュに比べるとカジュアルに飲めます。
なぜかというと、ローヌには全体的にルールにとらわれない、伝統に縛られない、ゆる〜い風土があるからです。
味もばらばら。AOC(AOP)の規範からはずれた自由な「自然派ワイン」というのもたくさん作られています。
酸っぱさも、果実味もそんなに目立たない、リラックスした雰囲気の田舎のおばあちゃんっぽい味です。
そういうのが、自然派ワイン好きの人にとっては魅力なのかもしれません。
「わかりやすくおいしい」し、値段も安め。
するする飲めるし、飲み疲れないので、休日の早めの時間から飲むときや、大勢で飲むときなんかにおすすめです。
またローヌは、大阪の中心地のようにキタとミナミに分かれます。
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