お客さんから「ソムリエはラベルを見て、それがいいワインかどうかわかるのか?」と聞かれることがあります。
結論から申し上げると、ソムリエにも「わかるものもあれば、わからないものもある」です。
なぜここで「そりゃプロだからわかります!」とヒステリック気味に断言できないかというと、ワインのラベル情報というものは、残念ながらけっこういい加減に記されているものだからです。
そして一般的な傾向として、旧世界(ヨーロッパ)ワインのラベルはわかりづらく、新世界(ヨーロッパ以外)ワインのラベルはわかりやすく記されています。
ワイン売り場に足を運んだときは、その特徴を頭に入れてながめましょう。
ワインが目の前にばーっと並んでいます。
まずチリ、カリフォルニア、オーストラリアなど、新世界のワインから見ていきます。
新世界のワインは先ほど説明したとおり、たいてい「単一」です。「品種の名前がラベルにはっきり記載されている」ことが多いので、それを見て好みの味を選ぶことができます。簡単ですね。
そして赤ならカベルネ・ソーヴィニヨンかメルロー、白ならシャルドネかソーヴィニ ヨン・ブランが使われたワインを選んでおけばたいてい外すことはなく、「わかりやすくおいしい」ワインに当たります。
あとはどれだけ値段をかけるかによって、より「わかりやすくおいしい」ワインに当たる確率が上がります。
入門者が知るべきことは以上です。
次は、新世界より少しややこしい旧世界のワインです。
こちらは「品種」よりも「産地」が重要、おまけに野球の一軍二軍三軍のように「より格上か格下か」という階級も存在します。
代表的なのは、フランスワインの「AOC」という階級制度です。
はい、難しそうな略語きました。
私が知っているのはせいぜいNHKかJALかVIPくらいだよ、という方は、ここで拒否反応をしめすのではないでしょうか。
でも、たいしたことはありません。AOCは「どの土地の条件をクリアしているか」という証明書で、その土地がより狭い地域を示していれば、一般的に品質も値段も高くなります。
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