なかなかの暴言を吐かれてもそれを「持ちネタ」に変換する、逞しい友人Mの話

俳優の妻として、またモデルやヨガセラピストとしても活躍中の堀本陽子さん。飾らず、自然体でおおらかな性格の彼女の日常を切り取ったエッセイが大好評連載中!

どんなひどい言葉を浴びせられても、すべてネタに変えてしまうご友人。理不尽なことや辛い出来事は、人に話すことで報われることもあるのですね。

このエッセイを書き始めてからもう1年以上になります。

そろそろ「ネタ切れ」かしらと、先日お互いの隙間時間でさくっとランチした友人Mに話していたら、またすごい話を聞かせてくれました。

彼女は同い年、バツイチで現在は塾講師をしておりますが、いつも楽しい(?!)話題を提供してくれて、このエッセイにも2回は確実に登場しているかと思われます。

明るくて、いつも注意されがちな私が注意するくらい声が大きいMですが、その見た目はちょっとキツそうに見えるかなぁ。

仕事のない休日は革ジャンやヒョウ柄を好み(大阪ではなく東京生まれですが・・・)いつもピッタリしたパンツにピンヒール・・・元々身長もあるので、彼女が歩くとすれ違う人が思わず道を空けてくれるので、モーゼの海状態になり、一緒いると人混みが歩きやすくなります。(デカい平野ノラさんをご想像いただくと近いかも)

こんなMなのですが、なんだか人が生きていくなかでそうそう言われないかなと思われる暴言を他人から吐かれがちで・・・またそれをネタにして、私に教えてくれます。

Mと私は意外と?!こういう定食が好き(よく行くお店にて)

ちょっとおさらいすると・・・1回目は「電車でブスと言われた話」

女性専用車両に男性2人組が乗って来たので注意したら、公衆の面前で「うるせー、ブス!」と言われたエピソードです。(ものすごい簡略化してしまいました)

なかなか「ブス!」って面と向かって言われること、なくないですか?!

全然ブスじゃないのに・・・。

まぁ、自分は女性1人で相手はチャラ男(M曰く)2人組なのに、注意する勇気もなかなかのものだと思いますが、人生でおふざけでも「ブス」と言われたことのなかった彼女は、一瞬にしてフリーズしてしまったそうで・・・それ以上向かっていかなくてよかった・・・怖いですよね、何が起こるかわかんないし。


2回目は「渋谷のスクランブル交差点で、クソババァと言われた話」です。

これも簡単に言うと、携帯の電源が切れて困っている男性(Mより若い、ちょっとかっこいい風)に声をかけられて、電車の乗り換え案内などを調べて助けてあげたら、カラオケに誘われてあまりにひつこいから、もう歩き出して無視しようとしたら、よりによって渋谷のスクランブル交差点の真ん中で、「クソババァ」と捨て台詞を大きい声で吐かれたというエピソードです。

全然ババァじゃないのに・・・。

いやー、これまたなかなかですよね。

渋谷スクランブル交差点(フリー素材のイメージ写真)・・・今はこの半分くらいでしょうか・・・

場所が場所だったので、たまたまそばにいた学校帰りに渋谷に遊びに来ていた JKにクスクス笑われた(ような気がした)そうです。

まぁこれも、私だったら「携帯の電源が切れて困ってる」と声をかけられた時点で「怪しい」と勘繰って返事をしない可能性が高いので、回避できたと言えばそうなのですが、そもそもフレンドリーな性格のMなら、純粋に助けてあげようと思ってしまったのもわかります。(あと相手がちょっとカッコ良かったからというのもあるかも・・・あるな、確実に・・・


そして今回の悲劇は、このコロナ禍で、個別指導の仕事が増えたMに起こりました。

その日もお金持ちの小4のお嬢様(言い方がやらしい私)のおうちに出向き、算数をみていたM。

も息子も中学受験を経験しているので、そのくらいの学年から算数がややっこしくなる(受験向けの問題が)ことはよく知っています。

いわゆる「特殊算」というやつです。

この手の問題は小学校ではほとんどやらないのに中学受験には必須で、

「そんなんXとY使って解いたら一発やのにー。(すぐ解けるのにー。)」

と何人の関西出身の母が言ったことでしょう・・・。(私と私の母を含め)

「つるかめ算」「旅人算」「流水算」「植木算」「通過算」「仕事算」などなど・・・もはやどんな問題かも忘れて全然説明出来ませんが・・・算数は数学ではないからなのか、優秀な小学生達をなんとかして篩(ふるい)に掛けるためなのか・・・とにかくまどろっこしくてめんどくさいのです。

私と同い年(48歳)でこれを教える仕事をしているというだけで、私はMを尊敬します。

人生の後半は「出来るだけ面倒なことを考えずに生きていきたい」と思っている今日この頃の私です。

Mの得意な学科は英語と歴史なのですが、女一人この東京砂漠(言い方が相変わらず古い私)で生き抜くためには教科の好き嫌いを言っていられません!

しかもMは本人も親としても中学受験の経験がなくその依頼を受けた時も、「小学校4年生の算数」としかとらえていなかったのかも知れません。

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わたし役者の妻で、モデルで、母です

生瀬陽子

俳優の妻として、またモデルやヨガセラピストとしても活躍中の生瀬陽子さん(モデル名は堀本陽子さん)。最近では、ヨガウェアをプロデュースしてTVで販売するなど、サバサバしていておおらかな性格が話題に。そんな飾らず自然体の陽子さんの日常や、...もっと読む

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