真に存在するものは過去でも未来でもなく、ただ現在だけである」

知っているようで、知らないのが自分。コントロールできているようで、できていないのも自分。身体はともかく、自分の感情を完璧にコントロールするのって無理なのかもしれないなって思ったりします。過去の記憶は上書きされたりするし、未来の希望は未確定ですから、今とどのように向き合うかについてが大切なのかも。そんな、もりだくさんの交換日記、連載第37回(毎週火曜日更新)です。今回のおまけのプリン情報は京都からですよ。

サクちゃんへ

こんにちは。

だいぶ寒くなってきて、冬がやってきましたね。ついこの間コートを着て、友達と牡蠣を食べに行きました。歯列矯正でグイグイ締め付けられていた痛みもようやく引き、今ではサンドイッチをかじることもできるようになりましたよ。やっぱりおいしいものが食べられるっていいですね。単純に元気が出ます。

前回は、嫉妬や負けん気に関するお話でしたね。
サクちゃんは負けん気を起こしたり嫉妬をすることがないんだな、と知って改めて驚いています。

「蘭ちゃんは、負けん気や嫉妬心はありますか? あるとしたら、それはどんなときに起こりますか?」

わたしはサクちゃんの真逆、即答で「ある」です。どっちもめちゃくちゃありますよ。おすそ分けしたいくらいです。

それらが起こるのはどんなときかなぁ。サクちゃんの言う通り、「自分がほしいものやそれに近いものを手にした人に対して起こる」のかもしれませんね。
でも、負けん気と嫉妬心って、わたしのなかでは役割が違うんですよね。嫉妬心は「ほしいものを自覚するためのもの」、負けん気は「自覚したあとに『やってやらぁ!』と努力するためのガソリン」でしょうか。

ー・-・-

あのね、最近わかったことがあるんですけどね。
わたし、自分が「ほしい」と認めているものに対しては、嫉妬心って起こらないなって気がついたんですよ。

たとえばわたしは「才能」にはほとんど嫉妬しません。
わたしがもっとも欲しいもののひとつは「小説を書く才能」ですが、自分はこれが欲しいのだと心から認めているので、「小説を書く才能」を持っている人には嫉妬しないんです。
そこにあるのは「あの人にはあってわたしにはない」「欲しいなら努力するしかない」という事実、そしてそれを行動にうつすための負けん気のみです。

じゃあ逆に嫉妬を感じるものは何かというと、認めたくないけど本当は欲しいもの、に対してなんですよね。たとえばお金やステータスなんかはそんな感じです。
本当は欲しいくせに、「生活できるだけあればいい」とか「やりたいことがやれたらいい」とかあれこれ言い訳つけて欲しくない振りをしている。でも本当は、自分より稼いでいる人やみんなに認められている人が羨ましいし、自分も欲しいんです。それなのに欲しくないふりをしていると、もやもやと嫉妬心が湧き上がります。

思うにわたしの場合、「わたしも欲しい!」って認めてしまうと嫉妬心ってなくなるんですね。
「わたしも欲しい!」って認めた瞬間から、「そっか、じゃあそのために何ができるかな?」って建設的に考え始めるからです。目標が定まると、そこまでの道を探し始める。負けん気はその勢いをつけてくれるもの。だからわたしにとって、負けん気が起こるときは割とポジティブな状態なんですね。

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サクちゃん蘭ちゃんのそもそも交換日記

土門蘭 /桜林直子

東京でクッキー屋さんをしている「桜林直子(サクちゃん)」と、京都で小説家として文章を書く「土門蘭(蘭ちゃん)」は、生活も仕事も違うふたりの女性。この連載は、そんなふたりの交換日記です。ふたりが気が合うのは、彼女たちに世界の「そもそも」...もっと読む

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sac_ring 「嫉妬心を覚えるたびに、『ああ、ここに、認めてないけど本当は欲しいものがあるんだな』って思うようにしています」 交換日記、蘭ちゃんの嫉妬と負けん気の話。ほしいと認めてしまえば嫉妬はしない、と。なるほど🤔 https://t.co/tnqwfotHao 約2ヶ月前 replyretweetfavorite

yorusube 今回の日記は「嫉妬と負けん気」について。 約2ヶ月前 replyretweetfavorite