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幡野さんはじめまして。
婚約していた彼が、彼の両親の反対を機にだんだんと態度が変わり、現在連絡が来なくなってしまいこれからどうしていいか悩んでいます。
今年の1月に彼から結婚しようと言われました。
ともに社会人四年目で、出身地が同じで学生時代から付き合い、交際6年目のプロポーズでした。
それぞれ実家に報告し、両親へ挨拶にいきたい旨を伝えたところ、私の両親はとても喜んでくれたのですが彼が親から「まだ早い」と反対されました。
その後彼は、彼の父、母それぞれに何度も何時間もかけ説得を繰り返し、挨拶に行くから会ってほしいと伝えたそうなのですが、両親ともに
「お前は30歳にならないとだめだ」「お前は英語が話せないから駄目だ」「お前に相手を幸せにできるわけがない」
「こちらが反対しているのに結婚を勧めようとするなんて(私の実家が)非常識な家だ」
「会って結婚できるって勘違いさせたら悪いじゃないか」などと言うばかりでした。
彼の両親はかなり「家」を重んじるところがあるようで、彼が何歳になっても実家中心に生活があるような感じがありました。
もちろんそれぞれの価値観があり、家族のつながりが深いことは全く悪いことではないですが、少し違和感を感じていました。
2月時点で、彼に期限を設けることを提案し、このままどうしても親の了承を得られなかったとしても、6年記念日のある11月に入籍しようということになりました。
プロポーズ時点では二人で5月に入籍しようと話していたのですが、彼がどうしても5月に説得は無理そうだというので11月に延期した形です。
入籍日すら自分たちの意志で決められないこと、正直数週間前まで赤の他人だった人たちに自分たちの結婚が振り回されること、それを拒み切れない彼の態度が本当に悲しかったですが、この時点で彼が両親の言動に対し否定的であったこと、時間を置くことで事態が好転する可能性もあると思い11月で了承しました。
2月に私の実家へ挨拶に行きました。
彼は「〇〇さんを自分の一生かけて幸せにします」と私の両親へしっかり伝えてくれました。
親には彼の親が反対している旨をずっと言えていなかったのですが、彼が帰った後始めて伝えました。
一生に一度のことなのに、「おめでとう」とすごく喜んでくれた両親を不安にさせたくなかったこと、一旦前置きなく彼の姿を見てほしかったこと、私の中で彼を信じて結婚できるよう進めていくという決断をすることに時間がかかったことで、打ち明けるまでに時間がかかってしまいました。
母は驚いていましたが、
「自分と彼と、二人の幸せを第一に考えなさい。
たとえこのまま彼の両親と会えずじまいで、これからいろんな助けが必要な時にそれがなかったとしても、できる限りのことは自分たちがするから大丈夫だ」と言ってくれました。
また、「彼の親は理由なんて何でも良くて、自分の手から子供が離れていくのが怖いんだと思う。でもお前はだめだ、ではなくて、あなたなら大丈夫と言ってあげるのが親だ。親のせいで子供夫婦がもめるようなことがあってはならない。」
「私は今日の誠実な彼の姿を信じたいと思う。でももし彼が親側に付くようなことがあったら結婚はやめなさい」と言われました。
後から聞いたのですが、私の家への挨拶当日、彼が家を出ようとする直前に彼の母は彼を呼び止め、家系図を書き始め「あなたにこの家を取りまとめていくことはできるのか?あなたは自分の好き勝手ばかりして家に迷惑をかけようとしている」と言われたそうです。
それから夏頃まで、家具を買ったり、結婚指輪を作ったりと11月に向け準備を進めていましたが、彼から親に関する話はなく、特に親と結婚の話もしていないようでした。
結婚の話題を出しても話を逸らされていました。
家族以外には結婚のことは伏せていました。
婚約期間をなぜこんな気持ちでいなければならないのか、本当に彼と結婚できるのか毎日不安でした。
彼は普通に親と連絡をとったりしていて、この状況を何とも思わない彼の親や、そんな親に違和感を覚えない彼の無神経さが辛かったです。
「正当な理由のない結婚の反対や理不尽な要求に屈するのはとても屈辱的」「あなたがかぐや姫じゃない限り」という幡野さんの記事を何度も読んで、気持ちを支えていました。
7月下旬に、このままご両親の了承を得られなくても11月に入籍するよね?と改めて彼に聞くと「できることはしたし、そのつもりだ」と答えていたのですが8月頭、「親に結婚挨拶に行くから一緒に来てほしい」と突然言われました。
また細かく聞くと「父親は仕事だから来ない」「平日の昼間三時からがいい」などそれは本当に結婚挨拶なのか?というような内容でした。
そもそも1月プロポーズ、2月に私の実家へ挨拶に来て以来、11月入籍と分かったうえで 半年何のアクションも無く放置、私の実家へ連絡一つしなかったのに、私の都合も考えず中途半端な話で地元へ行かせる彼に驚きました。
いくらこちらの思いを伝えても「過ぎたことを言ってもしかたない」「まずは母親に会って一歩前進」などピントがずれたことを言うので、結婚の話になるたびに大喧嘩になっていました。
結局無理をして有休をとり、彼にこれは結婚の挨拶だという確認をしたうえで、彼の実家で母親に会いました。 彼の母親は冒頭から自分の親の病気、墓、葬儀、宗派、お盆の形式、家のしきたりの話など、常識的に考えて初対面の相手、かつ祝いの席にふさわしくないような話をしていました。
また唐突に泣き出し、家族間の過去のトラブルを涙ながらに語り「自分は自分のことは一切考えず、全てにおいて周囲を優先した。だからこそいまうちの家はうまくいく」とか
私に対しては「あなたはまだ結婚すべきでない。働くべきだ。結婚出産後はもう働けない」
「まずはお互いの家について深く知り合ってからでないと結婚はできない」
「今結婚してもあなたのためにならない、幸せになれない。あなたのためを思って言っている」
「自分たちのことではなく何より周囲のことを優先しなさい」と言っていました。
また息子の容貌や勤め先、学歴などを否定し続ける(あなたはこんなにダメだ、あなたはあれもこれもできない)のも印象的でした。
「ストーカーもDV男も毒親も愛を語る」と幡野さんの言葉を思い出してしまいました。
正直想像を超える内容でしたが、私が一番ショックだったのは彼の態度でした。
延々と自分語りをする母親を止めることもなく、挨拶に行ったはずなのに「この人と結婚しようと思っている」などの発言も一切なくただうなだれて母親の話を聞いていました。
私は何をしに無理をして彼の家に来たんだろうと思いました。
彼の家を出た直後、「どうしてお母さんに結婚の話をしなかったのか?」と聞いても「う~ん」と答えず、逆にどうだった?と聞かれたので「非常識だと思った」と答えるとそれが気分を害したようで、「仲良くできないかなぁ」と言われてしまいました。
実家に帰り、母に一連の挨拶の様子を話すと、一度彼と話をしておきたいというので、時間をとって私と私の母と彼の3人で話をしました。
彼は私の母に、「母に籍を入れることを急いでいるのでは?といわれ、自分もその通りだと思った」
「このまま結婚しても幸せにはなれないと思った」
「お互いの家のことをもっと理解しないと結婚してもうまくいかない」
「○○さんが自分の母のことを非常識だといったので、そんな状態の関係では結婚してもうまくいかないと思う」と言っていました。
しかし母に、「もしご両親が結婚に賛成していたら、あなたは結婚したでしょう」
「家がどうとか、自分にできないことがあるとか、そんなことはどうでもいい。結婚は未熟な二人がするもの。足りないものがあるから不幸になるなんてことはありえない。大事なのは互いに相手を守り幸せにする覚悟があるかどうか。それはあなたにあるのか?」と言われて黙っていました。
また「もしあなたの親が「こうしなさい」と決めたことで娘が傷ついたり我慢したりすることになっても、あなたはそれを娘に強いるの?」と尋ねられると「はい。自分がそれで正しいと思ったらそうします。」と答えていました。
母は絶句していました。
最後に彼が「プロポーズや挨拶は無かったことにしてほしい、11月に入籍はできない」と言い出しました。
母は「あなたのことを信じていたからずっと何も言わなかった。娘も信じて待っていた。今娘の気持ちがあなたにわかる?娘は私たちの宝物です。これ以上この子を傷つけないで」と言ってくれました。
帰りの飛行機で、目の前が真っ暗になったようで涙が止まりませんでした。
東京に戻ってから、彼にこれからどうしたいのか?と尋ねると「う~ん、とりあえず結婚はできないかなあ」
なぜ?と理由を聞くと「母親と○○の価値観が違うから」と言われました。
私はあなたと6年弱付き合ってきてすごく幸せだった、あなたにプロポーズされて、これからもずっと一緒に生きていけること、この時間が続いていくことが本当にうれしかった。
お母さんの価値観と天秤にかけたときに、私と生きていく人生以上にそれは重いのか?と聞くと
「そうだ」「6年付き合ってもそういう価値観ってわからないもんだね」と言われました。
これ以降数カ月、現在まで私から一切彼に結婚の話題は出していません。
これ以上自分が削られることは耐えられないと思ったからです。
その後も、彼が結婚のために何か行動することはありませんでした。
会社の先輩とゴルフだ、友達と釣りだ、旅行だ…と週末は予定を入れ、私とはあまり連絡がつかなくなりました。
週に1回くらい電話していたのですが、電話にも出なくなりました。たまに出ても「疲れた」を繰り返し切りたがります。
逃げて逃げて、なんとかやり過ごそうとしているんだろうなと思います。
そしてついに先週から一切連絡が来なくなりました。
2月からずっと不安と戦って、何度も彼に失望し、自分の中の「辛い」の上限はとっくにオーバーしてしまっている中
仕事にもなんとか手を抜かず結婚にも向き合い、実家との折り合いをつけながら過ごしてきましたが
入籍の約束をしようと約束していた11月が目前に迫ってきて、死にたい、死にたいと思うようになりました。
「さっさと別れたらよかったのだ」「そんなことで死にたいなんてありえない」
「自分の人生をしっかり生きなければ」「いくらでももっといい人がいる」「そんな人と結婚しなくて済んでよかった」と頭ではわかっています。
ただ同時にただ大好きだった人と生きていくはずだった未来はもう無いこと、
自分の都合や、現実から逃げるために、彼は私が傷つくこともいとわないという事実に打ちのめされてしまっています。
結局彼の本当の姿では無かったのかもしれませんし、どこかで彼が変わってしまったのかもしれませんが、
私の知っている彼は誠実でやさしい人でした。いつも第一に私のことを考えてくれていました。
目が覚めて、一日が始まることが辛いです。鬱なんだと思います。酷くなる前に病院で治療を受けたほうがいいとわかっています。
でもただ生きていくだけでこんなに削られてしまうのに、もうこれ以上は頑張れないと思ってしまいます。
幡野さんの生きることは権利だが義務ではないという言葉を言い聞かせながら毎日を過ごしています。
ただ自分から別れようと言うのも、連絡してこれからどうしたい?と話し合おうとすることも、
現実から逃げる彼に手を差し伸べるようで、そしてこれ以上辛い思いをしたくなくて、気が進みません。
最後くらい、自分のけじめは自分でつけなよ、という思いがあります。
自分がどうしたらいいか何もわからなくなってしまいました。
私の甘さ、弱さ、不器用さもあったのだと思うし、皆それぞれの地獄を抱えて生きているのだと思いますが
何かアドバイスを頂けたら幸いです。
長くなってしまい申し訳ありません。
最後まで読んでくださって本当にありがとうございます。
※公開後相談者の希望により一部内容を変更しました。(おったー 25歳 女性)
相談文をカウントしてみたら6400文字ぐらいありました。たぶん過去最高に長いんじゃないですか。別に文句をいってるわけじゃなくて、これだけの文章量を書くのってかなり大変なことだとおもうんです。もしもぼくが6000文字の原稿を書いてくれって依頼されたら一週間は余裕でかかってしまうとおもいます。でもこの相談をあなたは数時間で書いたんじゃないですか?
11月が近づくにつれて毎日のようにこのことを考えていたんでしょうね。いつも考えていることを文章にすると、案外スラスラと書けたりするものだし、長文になりがちだったりします。
これは相談を送ってくる人の特徴でもあるのだけど、相談を書いて送った時点でスッキリしたという人がわりといます。(スッキリしたから回答してもらわなくて大丈夫です、みたいな連絡をよくいただきます)。頭の中で整理ができたり、誰かに悩みを伝えたことで気持ちがすこし楽になるのかもしれません。
日頃考えていることを長文で書くことって、スッキリすることもあるので、そういうスッキリ感もないのであれば、なるべくはやく病院にかかったほうがいいとおもうんですよね。鬱が軽い人ほど自分は大丈夫だろうと病院に通わないんですって。
いきなり精神科や心療内科に行くのはハードルが高そうですが、まずは内科に行ってみるのがいいそうです。そこで治療できる場合もあるし、専門の病院を紹介される場合もあるそうですが、まずは負担のかからない病院に行くのをおすすめします。
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