二十代半ばの頃。
初めてのデートをしたその日に相手の家に泊まり、乱れたセックスをした。
一歳年下の女の子。色白で美人。キツめの性格だがサバサバしていて楽しい。
この子と付き合う事になったらいいなぁとぼんやり考えながら一緒に寝ていると朝になって叩き起こされた。
「起きてください、家の前に私の彼氏が立ってます。 すいませんが顔を伏せて玄関を出て、 振り返らず駅に向かってください。また連絡します!」
デート初日から漫画のような展開に見舞われたが、 結果、俺たちは付き合う事になった。
毎日のように会って、酒を飲みセックスをした。 俺たちはお互い若く、性に奔放だった。 それぞれが浮気を繰り返し、その度にバレては喧嘩。 そのうち性病を移し合う、泥試合のような恋愛だった。
「俺たち、もうやめとこう」
「私たち、離れた方が健康だね、きっと」
別れというより解散に近い終わり方をした。 似た者同士が集まったチームの解散。 壮絶な付き合いの末の健全な解散だった。
それから三年後。夏。
二十三時をまわった夜。突然、彼女から電話があった。
「今からうちでセックスしてくれない?」