寮母といっても、住み込みではありません。
はじめまして。あきこです。広島県にある造船関連会 社の寮で、 2年半前から寮母をやっています。寮の方たちに昼食と夕食を作るのが仕事です。
初日から毎日、自分用の記録のために写真を撮って、インスタグラムにアップしています。おかげさまで、現在フォロワーさんは14万人を超えました。
これまでに飲食業で働いた経験はありますが、本格的に大人数のために料理をするのは初めて。
そんな人間を、会社もよく雇ったなあって思います。勇気あるというかなんというか。
寮の方たちは30代から40代中心の働き盛りな男性。しかも皆さん、全員ラグビーやってたんじゃないかと思うほどガタイがいい。たくさん召し上がるので、どうしてもガッツリな感じになります。
四国の今治から来ている方が多いので、今日は名物の焼豚卵飯。
毎日のことなので、お洒落な料理が続くと食べる人も疲れると思うんです。みなさん結局、定番料理的なものが好きですし。
むしゃむしゃわしわし食べてほしいから、そういう料理が多くなりますね。そして、見た時におっ! って思ってほしいから、ビジュアル的にもインパクトのある料理。今日のご飯は何かなあって、ワクワクしながら帰ってきてもらいたい。
定番のそぼろ弁当も、あきこ流に華やかに。
昼も夜も、作ったら置いて、私は帰宅します。みなさんが食べる時は出来たてじゃないので、冷めた時のことや温め直すことを考えて火入れや味付けをしています。
試作はしません。いつもぶっつけ本番。でも、味には妥協しません。納得のいく味になるまで、何回も味見をします。
お昼は、はじめは丼物にしていたんです。でも、丼だと冷めるとおいしくないし、レパートリーも限られるので作っている自分が飽きてしまって。
お弁当にしたらどうだろうと思ってやってみたら、いろいろな種類のおかずが詰められて楽しいので、今のスタイルになりました。
持ち運びはしないので、当然、フタもしません。盛り上がっていても大丈夫なので、必然的に、大盛りに。置き弁ならではの良さですね。
普通のお弁当の唐揚げの何倍!?
肉の厚みがすごい!
料理は見た目が命、真剣に盛ってます。
盛り付けが個性的って言われますけど、それも全部直前のヒラメキです。
料理本を読むのが趣味で、ものすごい数を読んでいるので、それが蓄積になってるのかもし れないけれど。大胆に無造作に盛り付けていくのが好きですね。
夜ののっけ丼とかも、どんどんどんどん高くなって盛り盛りになります。でも味が重ならないようにとか、色と味のバランスとか、実はいろいろと細かく考えています。 大胆にして繊細。
食べる人に楽しんでほしいのはもちろんのこと、自分が楽しいのも大事。楽しくないと飽きてしまうんです。
盛り付けしながら、たまに自分でも笑っちゃったり。毎日楽しみながらやっています。
鶏天丼。下にレタスを敷いてさらにかさ増ししてます。
キムチチャーハンも、こんもり盛ればおいしさ倍増。
夕食は、のっけ丼の他にワンプレート だったり、季節の料理だったり、変化を持たせています。そのときの食材と相談して、調理法を考えます。
夜はビールを飲む方もいるので、おつまみにもなるようなおかずを一品は入れるようにしたり、時には居酒屋風のおつまみセットにしたりもします。
毎日絶対、飽きさせない! これはプロとして、意識してますよ。
ワンプレートは、大人のお子さまランチみたいな感じで、いろんな種類のおかずを盛り付けて。
男性はなかなか野菜を食べてくれないので、必ず一緒に盛るようにしています。
お子さまランチ風は人気あり。
いいお魚が入ったら、アクアパッツァにすることも。
寮の方のリクエストを聞くこともありますよ。おいしいって言われると本当にうれしい。
寮母って、いい仕事だと思います。
おいしくするための味付けや盛り付けのコツを、次回から紹介していきますね。
よろしくお願いします。