村上春樹の誤解
いらっしゃいませ。
bar bossaへようこそ。
村上春樹は好きですか? 僕、すごく好きなんですね。僕が高校3年生のときに『ノルウェイの森』が発表されまして、当時、徳島の田舎から横浜国大に入った1歳上の先輩の女性が帰省して、僕たちの前で、「君たち、ノルウェイの森のセックス描写についてどう思った?」って言ったとき、「うわあ! カッコいい!」って感じてからずっと愛読者なんです。
今でこそ、村上春樹といえば、そろそろノーベル賞って感じの世界的文学者ですが、僕の世代にとっては、東京でジャズ喫茶を経営していて、時々ジャズのレコードのライナーノートを書いたり、BRUTUSに出たり、糸井重里と仕事をしたりっていう、「東京の文化人の憧れ的存在」だったんです。
そうなんです。当時の多くの若者が「村上春樹みたいに、カフェやバーを経営しながら、たまに雑誌に出たり、音楽について文章を書いてみたり、小説やエッセイを書いてみたりしたいなあ」って夢見たんですね。で、まあお気づきかと思いますが、僕もそういう風に村上春樹に憧れて、こういう風に音楽のバーを経営したり、文章を発表したりしているというわけです。
でも、「村上春樹が好き」って大きい声でいうの、ちょっと恥ずかしいところがどうしてもあるんです。ファンのみなさんはもう諦めているいるくらい、表面的な認識だけが広まっていますよね。「やれやれ」とかそういうのです。
ファンにとってはただの誤解なのに、「村上春樹が好きな男性はどうも苦手」って言う女性が一定数存在するんです。それがどういうことなんだろうとずっと考えていて、先日、noteで発表したら、「そう、その通りなんです!」って女性からのたくさんの支持が得られたので、ここでも書いておこうと思います。
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