酷暑とコロナ禍、齢四十を過ぎた身には、日々の生活を送るにも何かと気を使う。外回りの帰り、大きな汗染みをつくったシャツにほとほと嫌気が差して、新橋の老舗サウナに駆け込んだ。汗を流し、水風呂で体を冷ますと、腹が減る。サウナで生ビールを一気に流し込み、精気を取り戻した後は、少し涼しくなった夜の街へ……。
新橋は烏森口、新橋西口通りのアーケードをくぐると、ご時世にもかかわらず活況だ。寿司店が入る雑居ビルの前にはワイシャツとタイトスカートの女のコ。気になって声をかけると、ワインをメインにしたガールズバーだという。
左からはるかちゃん(35歳)、ひいらぎちゃん(21歳)、ハルちゃん(30歳)。
ガールズバーらしからぬ落ち着いたトークと佇まいがおじさんには嬉しい
「感染対策はバッチリ、レアなワインもありますよ」
アクリル板設置で飛沫感染を完全に防止
狭い階段を4階まで上がり、木戸を開けると、こぢんまりとしたおしゃれな空間が広がっていた。
カウンターには女のコ、その前には大きなアクリル板、ちょっと面食らっていると、隙間から女のコが非接触型の体温計を取り出した。平熱を確認、手指消毒のあと、冷たいおしぼりが出される。
検温、手指消毒、マスク着用。そして特注のアクリル板の仕切り。
アクリル板がきれいに磨かれており、頭を打ってしまいそうに
「快適さをモットーに営業していたんですが、ウチは土地柄大人のお客さまが多いので、安全安心を第一に営業することにしたんです」