依存先のなかで一番厄介なのが「ヒト」だと思う

連載第25回は「依存」について。タバコやモノやアルコール、いろいろな依存先がありますね。求めるものはリラックスや刺激、どんどん強い効果を求めてしまうのが依存の性質でもあります。さて、いちばん厄介な依存先はなにかしら。毎週火曜日更新。まあ、日記も依存性がありますけども。

サクちゃんへ

お元気ですか? ひどい暑さですね。

わたしは夏バテを通り越して、つい先日体調を崩しました。病院に行ったら新型コロナウイルス対策で、窓の開放にとどまらず、青空のもとで汗をかきながらの診察が行われました。屋外でお医者さんに向かって口を開けながら、おかしな夏だなと思いました。

8月はわたしの誕生日だったのですが、高校時代のバスケット部の友人たちから「お誕生日おめでとう」のLINEがあったんです。その中のひとりのメッセージに、
「占いによると、蘭ちゃんは今年の夏は『人生史上最も休んだ夏』と言えるくらいのんびり過ごすと良いらしいよ! だからちゃんと休みなさいね」
という言葉があって、「へえーそうなんだ」と思うと同時にうっかり涙が……。

体が反応してようやく「自分は疲れてて休みたいんだな」ということに気がつきます。
薬を飲んで寝たら、だいぶ元気になりましたよ。サクちゃんは体調どうですか?

ー・-・-

「神様、私にお与えください  
 自分に変えられないものを受け入れる落ち着きを  
 変えられるものを変えていく勇気を  
 そして、2つのものを見分ける賢さを」

サクちゃんが引用していた、薬物依存の回復を支援する団体で唱えられているというこの言葉。忘れぬようにと、手帳にメモしています。

わたしはお酒が好きです。
特にビールが大好きで、毎晩家で缶ビールを飲むのが楽しみなのですが、気をつけていることがあります。
それは週に1度は休肝日を作ること、そして19時を過ぎてからじゃないと飲まないということ、ひとりで飲むときは1本にとどめるということです。

仕事中もずっと家にいるので、飲もうと思えば昼間から飲めるのですが、それを許してしまうとわたしは確実にアルコールに依存してしまうだろうなと思っています。

というのも、わたしがアルコールに求めているのは「リラックス」なのです。
先に書いたように、わたしは休むのがとても苦手。
自分で自分を休ませるのが得意ではないから、アルコールという外的要因を借りてそれを行っているところがあります。

その他毎日常飲・常食しているものは、今のところカフェインと砂糖です。
「気持ちをすっきりさせたい」とコーヒーや紅茶を飲むし、「疲れをとりたい」とチョコレートやプリンを食べます。でもそれらも、1日に3杯まで、とか、間食は1度だけ、とか、決まりを作っています。昔は煙草もそういう存在でしたが、これだけは20代前半できっぱり断ちました。

精神的な変化を起こしてくれるものって、依存しやすいんですよね。
人によってはそれが買い物だったり、ギャンブルだったり、薬物だったり、はたまた仕事や恋愛だったりするのかなと思うのですが、わたしは決まりをつくることで、そのうちのひとつを身体を壊すまで摂取してしまうことを回避しようとしているのだと思います。

ー・-・-

でも、わたしは「依存」って悪いことじゃないと思っています。
ひとつのものにめちゃくちゃ依存することは危険だけど(身体を壊すまで摂取しちゃうから)、依存をばらけさせるのはいいことだなと思う。

人は弱いし、脆いし、ひとりで踏ん張るのは難しい。
そんなとき、体重を預けられる他者(ヒト・モノ問わず)がたくさんあればあるほど、ぽっきり折れずに生きていけるんじゃないかなと思っています。しかも人生が豊かになるというおまけつき。

だからわたしが依存先にたいしていちいち決まりを作っているのは、そればっかりになるなよ、ってことなんですよね。いろんなもの摂取しろよっていう。

サクちゃんはさきの引用文の「変えられるもの」として、環境・考え方・行動のクセをあげていましたが、今話していることはそのどれにも当てはまると思います。つまり自分を取り囲む他者をどう構成していくか、どれにどこまで依存していくかを、意識していくことが大事なのかなって思っています。

ー・-・-

ところで、依存先のなかで一番厄介なのが「ヒト」だと思います。

この続きは有料会員登録をすると
読むことができます。
cakes会員の方はここからログイン

1週間無料のお試し購読する

cakesは定額読み放題のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。cakesには他にも以下のような記事があります。

人気の連載

おすすめ記事

この連載について

初回を読む
サクちゃん蘭ちゃんのそもそも交換日記

土門蘭 /桜林直子

東京でクッキー屋さんをしている「桜林直子(サクちゃん)」と、京都で小説家として文章を書く「土門蘭(蘭ちゃん)」は、生活も仕事も違うふたりの女性。この連載は、そんなふたりの交換日記です。ふたりが気が合うのは、彼女たちに世界の「そもそも」...もっと読む

この連載の人気記事

関連記事

関連キーワード

コメント

chiyio1011 わかりみがありすぎ 3ヶ月前 replyretweetfavorite

shu_alter 「自力本願、他力サンキュー」というめちゃめちゃいい言葉をいただいた。かくありたい。 3ヶ月前 replyretweetfavorite

yorusube 体にいい食べ方って「これを食べたらいい」とか「これは食べちゃだめ」とかじゃなく「満遍なく食べる」ことなのだそう。依存も同じで、「満遍なく依存する」っていうのが体にいいのだろうなと思う。 3ヶ月前 replyretweetfavorite