蘭ちゃんへ
こんにちは!
8月に入って猛暑の日が続き、本気出すのもいいかげんにしてほしいとうんざりしています。夏バテなどしていませんか? わたしは絶賛バテ中。
さて。ほんとうに、わたしと蘭ちゃんはやり方が全くちがって、知れば知るほどおもしろいね。ただ、やり方が違えど、ふたりともそれぞれの不足を補うように(または反動のように)考え方ややり方が作られてきたんだな。つくづく欠陥や不足も含めて「持ち物」なんだなあと思います。
わたしは今までずっと、もともと持っていないものやできないことを、別の何かで補ってみたり、後から手に入れようと努力したりを繰り返し、足掻き続けてきました。「ありのままで」が推奨される昨今だけれど、わたしは環境による影響のつよさをないことにして「ありのまま」でいるのは難しいのではないかと考えます。それよりも、どうせ影響があるのならそれを認めて自分の力で環境を選び、作る努力を続けたいと思う派です。
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ダルクという薬物依存の回復を支援する団体で唱えられているのニーバーの平安の祈りというのがあります。
神様、私にお与えください
自分に変えられないものを受け入れる落ち着きを
変えられるものを変えていく勇気を
そして、2つのものを見分ける賢さを
数年前にこの祈りを知ったとき、わたしが子どもの頃から願い続けてきたことと同じだなと思いました。「このままではいやだな」と感じたときに、自分以外の別の誰かになることはできないけど、環境や、考え方や行動のクセは、なんとか自分で変えることができるのではないかなと考え続けてきました。変えられないものは何で、変えられるものは何か、それを見つけるためにものごとをいろんな角度から見る習慣ができました。
わたしに今「考える力」が少なからずあるのは、欠陥や不足のおかげです。足りないから、いやだから、困るから、考える習慣がついたからです。蘭ちゃんの「書く力」も、「伝わらない」という「したいけどできない」不足があったからついた力なのだろうなと思いました。
また、ダルクのスローガンに「JUST FOR TODAY(今日一日)」という言葉があります。未来への不安を見ないで、一日一日をしっかり見て、ひとつずつ越えることだけ考えるという時間の捉え方です。これもまた「命短し恋せよ乙女」と爆走していた蘭ちゃんが、急ぐのをやめて時間を捉え直すことができたのと同じだなと思います。
わたしも同様に、遠くて見えない未来や将来に夢を見て期待をするよりも、今困ることやいやなことを少しずつ変えていくことに注力したのは、やっぱり悪いやり方ではなかったなと思えます。
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