一流大卒。年収1,000万。身長170cm以上……。マッチングアプリをのぞくとそんな情報がたくさん書き込まれ、好みの条件で相手をしぼり込むこともできますよね。
出身や年齢など、一般的に知りたいだろうなという情報のほかに、「初回デート費用は男性が支払う」「割り勘で」みたいな項目まであります。
では、友達の紹介のときはどうでしょうか。そのときにも「◯◯大学に通っている学生」とか「一流商社に務めている」みたいな紹介って、わかりやすいし引きも強いので、よくされていそうに思います。
もちろん「優しくて素敵な人だから会ってみて」なんて言われることもあるでしょうけれど、それってなんだかピンとこないですよね。そもそも「優しくない人」なんか誰かに勧めることもないわけですし。
だからこそ誰かとの出会いではどうしても、そういった相手の「スペック」を気にしてしまうのですが、僕はそれらを気にするあまり大事なことを見落としてしまうこともあるんじゃないかと思っているんですよね。
あなたにふさわしい相手を選ぶためのコツを、今回はお伝えしたいと思います。
ワインの試飲会ではデータを見ない
いつもはレストランサービスの話をしているのですが、今回は僕の専門の一つである、ワインの話をさせてください。
世の中にワインの種類がどれくらいあるか、ご存じですか。はっきりとその数は調べられてはいないのですが、単純に銘柄違いのものだけでも、人間が毎日一本飲み続けても飲み終えられないくらいある、とも言われています。
ましてやワインというのはヴィンテージ(年)の違いも考慮されるので、それも含めると無限に近い数になるでしょう。
だからワインを選ぶ際には、何らかの指標を基準にすることが多いです。専門家がつけた点数を参考にしたり、雑誌で取り上げられた銘柄を買ってみたり。ときにはいきつけの店のマスターが勧めたから飲む、というのもあると思います。
情報化社会の中、そういった有用なデータを参考にしないのはもったいないのでむしろ活用していったほうがいいと思いますし、僕も多くの場合はそうしてワインを選びますが、そういう情報に頼らないと決めているときが一つだけありました。それはワインの試飲会に行ったときです。
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