※牧村さんに聞いてみたいことやこの連載に対する感想がある方は、応募フォームを通じてお送りください! HN・匿名でもかまいません。/バナー写真撮影:田中舞 着物スタイリング:渡部あや
毎週水曜朝10時、「ハッピーエンドに殺されない」。
「姫と王子は幸せに暮らしましたとさ、めでたしめでたしハッピーエンド」っていう物語に乗せられて人生終わっちゃたまんねえじゃん。ということを、読者の皆様からお寄せいただく様々なおたよりをもとに、毎週さまざまなバリエーションで根気よく言い続けている連載なのですが、わあ、今回、わあ、ちょっと、わあ。
「男ウケ or 一生独り身」
みたいな。「無理してでも女っぽく可愛〜くしないと素敵な男性パートナーと出会えないのでは!?」ってなってるおたよりをいただいたんですよ。
それをここに送ってくるってことは、「そんなことないよ!」待ちでいらっしゃるってことですよね。オッケー。了解ー。そんじゃドカンと一発やるかー。
やるんですけどね、
「自分らしく生きてゆけば素敵なパートナーがきっと見つかりますよ……✨」
↑これ、これだけだとさ、みんな言ってんじゃん。
いや、実際これ本当だとは思うんですよ。経験者は語る。わたしは女性とされて生まれましたもので、「女性らしくあることを社会の皆様に期待されているんだなあ」と思って22歳くらいまで生きました。でもなんかこうね、清楚に従順にスカートはいて正しい女をやらされるとね、まじで、愛を受け取れない。男の人が寄ってきても、「あー、この人は清楚に従順にスカートはいてる正しい女の子が好きなんだなあ😇」って思うだけなんですよ。マジで他人事。恋愛が接客になる。ご来店ありがとうございます。ありがとうございましたー。
全然、プロとして接客に徹する道もありなんですけどね。
それやっててつらい人は、やらされなくてもいいと思うんですよ。
今回は、「男性に好かれるよう努力したのになんかホテル誘われるばっかりでつらい。どうしたら人間同士で親友って感じのパートナーが見つかるんだ?」って頭を抱えていらっしゃる方と一緒になって悩んでいきたいと思います。
「もしや、すぐホテル誘ってくる男のほうも、似たような孤独を抱えていたりとかするのでは……?」って、想像しながら。
まきむぅさんこんにちは。いつも連載更新楽しみにしています。
最近、まともな恋愛がしたいという欲求が強すぎて日常生活や趣味において出会いがないなら意味が無いと感じてしまい悩んでいます。
私は27歳の独身なのですが、今までちゃんとしたパートナーがいたことがありません。
20代前半までは趣味に没頭しすぎてて外見や身嗜みにまで手が回っておらず、恋愛にも興味がなかったし周囲がベタベタした恋愛や性の話ばかりでばかりであまりいい印象がありませんでした。
しかし、20代後半に入って出会った趣味仲間達の出で立ちやパートナーとの様子を聞いていると、みな身嗜みや生活に気を回しつつも趣味を楽しんでおり、パートナーとも男女というよりは人間同士親友といった関係を築いており、そういう関係性もあるんだ、と憧れを抱き身嗜みを整えたり生活を見直したりダイエットしたりと自分自身に手をかけるようになりました。 (まだまだ芋からは抜け出せていませんが…)
恋愛だけが幸せではないとは思いますが、やはり心を通わせられるパートナーは欲しいな、と街コンやアプリを試してはみましたが趣味の方が面白いやと街コンを蹴ってしまったり、アプリで出会った人とはホテルを匂わされたりと疲れてしまって続きませんでした。
しかし、ある日行きつけの店で出会った人に告白されて付き合ったのですが、初デートからホテルに連れていかれ気持ち悪くてセミの寿命の速さで別れました。周りの皆はちゃんと人間として尊重されて愛されてるのに、自分は身体しか価値がないんだと心がガラガラと音を立てて崩れていき躁鬱を1年以上繰り返しています。
それから何をしていても出会いがあるかないか、私を人間として扱ってくれるかが基準になってしまい、出会いがない趣味ならやっても意味ない、もっと苦しまなければ幸せになれないとゲロ吐く気持ちで好きになれる人を探したり趣味じゃない服着たりしています。
あんなに好きだった絵描くことや歌を歌うことも、人と会うことがないなら意味ないんじゃないかと思えてきて楽しめません。
趣味の場で出会った人を人として好きになったことはあるのですが、既婚だと判明したので趣味仲間として楽しく過ごしています。
休日は運動や趣味に割いてしまいがちなので、この先一生独り身なのかなと不安です。女っぽさを出すこともできない性分ですので、自分が自分である限り心通わせられるパートナーを見つけるのは無理だろうなと考えています。自分らしく楽しく過ごせば自分にあった人と出会えるといいますが、本当なのかなと疑ってしまって自分らしく生きるのが怖いです。家族に趣味を否定された思い出が残ってるのもありますが…
周りの人のように、自分らしく生きて人間として大事にしてくれるパートナーを得るのはむずかしいと思うので、やはり少し無理してでも出会いの場に出向いて、男性受けする出で立ちをしなければパートナーは無理でしょうか?それかもう死んで自分を殺す以外では無理だと感じています。
「セミの寿命の速さで別れました」
文豪か——!!!!!!
いや、ごめんなさい、あの、本筋と違うところで興奮してしまってごめんなさい。しかし、文豪すぎん? わたし今さっき「セミの寿命の速さで別れました」をGoogle引用符付き検索してしまったからね。あまりにも見事過ぎて、慣用句辞典に載ってるんじゃないかと思ったの。
「セミの寿命の速さで別れました」、これ夏に発情してる人と速攻別れた時の定番表現になっていいレベルの名文でしょ。やば。漢字が「速さ」なのがスピード感あってまた最高。
ご趣味、短歌とかですか?
絵を描いたり歌を歌ったりもなさるの?
すんごいと思った。あなたのご趣味を否定したご家族は、きっとあなたの才能が怖かったんですよ。
あなたにとってご趣味がどんなに大切なのかということ、よくよく伝わってきました。そもそも出会いを求めるようになったのも、「趣味の仲間にパートナーがいる様子だから」だもんね。そして身だしなみを整え、生活を見直し、ダイエットをなさり……え、趣味のパワーすごくないですか? ぜひその地点で趣味のパワーを享受して欲しい。
あなたは十分、趣味を通して人と人とで心を通わせていらっしゃるのではないかと思う。それなのに「パートナー」って形にこだわらないといけない気がしているのは、やっぱり、趣味仲間たちに馴染みたいっていう気持ちがあるからなんじゃないかと思うんですよ。