又吉のかぶせ力
ギャップがありすぎて、吹き出してしまう!
笑える文章を書ける人は、うらやましい。
くすっと笑っちゃったら、もっと続きが読みたくなるし、げらげら笑っちゃったら、書き手のことを絶対好きになっちゃうよ!
けどそのぶん、文章で人を笑わせることは難しい。
文字を並べるだけで、どーしたら「おかしさ」を生み出すことができるのか、見当がつかない。
しかしそれでも挑戦したい!
というわけで、この方から勉強してみました。
言葉でも文字でも面白い、笑いの天才、又吉直樹さん。
又吉さんの文章が面白いのは、もちろんお笑い芸人としてのスキルによるものもあるでしょう。
でもそれ以上に、文章のテンションが絶妙なんです。
なにが絶妙って、笑わせるぞ! という気合を「まったく見せない」ところ。
基本的に、ひとりでぼそぼそ喋っているようなテンション。
読み手のことを意識しているのかどうかすらわからない。
でも、そのひとりごとをのぞき見する私たちは、笑いをこらえることができない。
笑わせようとしていないのに、笑ってしまう。
例文を見てください。
これは又吉さんが、太宰治の短編小説『親友交歓』を紹介する文章の一部です。
彼は太宰治の大ファンなのだけど、ここではファンになった経緯を述べています。
で、例文は、ただの「私が太宰治を好きになった理由」を真面目に語るところです。
なのに私、吹き出してしまいました、ほんとに。
ポイントはもちろん、ここです。
〉「ファーストキスが太宰の命日」
大人気のアイドルがリリースしても絶対に売れない曲のタイトル。