【登場人物】
清田隆之
桃山商事・代表
1980年生まれの文筆業
森田雄飛
桃山商事・専務
同じく1980年生まれの会社員
ワッコ
桃山商事・係長
1987年生まれの会社員
砂漠のような世界と元カレ
清田 桃山商事の恋バナ連載、今月は「復縁」について語ってます。
森田 前回は、ワッコが「元カレと別れたことは失敗だったんじゃないか……」と思ってる話になったよね。
ワッコ アプリや合コンで出会う男性に絶望して、そのような実感に至りました。
清田 「いい男」はどこにいるんだ問題。それで思い出した話があって、ワッコの悩みとも繋がってそうなので、今日はまずその話から紹介したいなと。
ワッコ お願いします!
清田 知人女性は、中学の時に同級生男子と付き合って別れて、高校で復縁して別れ、大学でまた復縁して……という経験をしたらしいのね。
森田 不死鳥!
ワッコ 経緯がめっちゃ気になりますね。
清田 彼女は中学の時から映画や音楽が好きだったんだけど、当時その話が通じるのが彼だけだったんだって。彼女の目には彼がキラキラして見えたから、アプローチして付き合うことになった。
森田 中学くらいだと、同じカルチャー好きの人に巡り合えること自体が奇跡的なことだよね。
清田 その後いろいろすれ違いがあって別れてしまい、別々の高校に進んだ。けど高校でも趣味を共有できる人がいなくて、久しぶりにその彼と会ったら超楽しくて、また付き合うことになったんだって。
ワッコ なるほど。
清田 でもまたすれ違いがあって別れ、彼女は大学に入学したんだけど、やっぱり趣味を共有できる人がいなくて、彼に再会してまた付き合う……という経緯だったみたい。
ワッコ 趣味の一点突破(笑)。
清田 おそらく、同じ趣味でも常にアップデートされてたんだと思う。再会するたびに、新鮮な会話ができたんじゃないかな。
森田 久々に会ったのに前提なしで話が通じるのは、きっと嬉しいよね。
清田 この話って、世の中には趣味や価値観を共有できる相手はそう多くない、という話でもあると思うのよ。「やっぱりあの人がよかった」という実感と外の砂漠さは、裏表の関係だと思う。
ワッコ 付き合ってる時は、すごい解像度の高い状態で相手を見てるじゃないですか。細かいところが気になって、それが深刻な問題のように思える。けど、その恋人と別れて出会いの場に参加してみると、圧倒的に話が合わない異性ばかりだったりして……。解像度どころか、コンタクトなしでもヤバいってわかるわ!ってレベル。そこで初めて、元カレと付き合ってた時は自分の解像度が高くなってただけだったんだって気づくんです。
森田 ワッコの場合は、彼が浮気をしてフルチン土下座をしたという事件もあったわけじゃない? あれは解像度とはまた違う話だよね。
ワッコ 冷静に考えると、そっちはそっちでヤバいという認識も生まれるんです。でもわたしが出会える範囲には、フルチン土下座も霞むくらい圧倒的にヤバい人しかいないのが現実で。
清田 リアル……。
「ソウルメイト復縁」の特徴
ワッコ わたしの周りにも、さっき清田さんが紹介していたようなソウルメイト復縁をした人が結構いるんです。
森田 またパワーワードが出た(笑)。