「腹筋を割りたいか、別にどうでもいいか。」
もう6年以上も前に、EXILEについて、「暴力団」から「暴力」を引くと「団」になる、その「団」に史上最大の厚みを持たせるのが、彼らが口を揃えて言う「最高のエンタテインメントの追求」なのだと書いたことがある。その考えは、今も変わらない。もはやあの集団はコワモテの集団ではない。だが、なにかと横一列になっている映像や写真を見つけると、どこかの地下通路で遭遇したら、直ちに振り返り、力の限りで走って逃げるだろうとは思う。暴力が付随しない団だが、団に相当な圧が保たれている。
彼らはとにかく「夢」を連呼する。なぜ連呼するのか。EXILE HIRO著『ビビリ』に「夢を語っているうちに、夢の内容は具体的に、詳細になっていく。語れば語るほど、実現しないわけにはいかなくなる」とある。彼は、夢を持つだけではなく、それを実現することを求める。本書でも太字で記されているが、彼の口癖は「要は、やるかやらないか」。その一文に続くのは、「腹筋を割りたいか、別にどうでもいいか。身も蓋もない話だけれど、それが現実だ」である。身も蓋もない話だ。腹筋を割りたいか割りたくないかで物事を考えたことがないので、思わず笑い転げてしまい、腹筋が割れそうになったのだが、本来であれば距離のある「夢」と「やる」を、筋力でドッキングさせるのが彼らの「団」の作法である。
自分にフィットした夢
cakesは定額読み放題のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。cakesには他にも以下のような記事があります。
cakesは定額読み放題のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。cakesには他にも以下のような記事があります。