「男なら、いい腕時計の一本くらい」
これまで何度か「男なら、いい腕時計の一本くらい持っとかなきゃ」と言われたことがある。当然、この人は、どうしてそんなこと言うのだろうか、と思う。一呼吸置いて、「男なら?」「いい腕時計の?」「一本くらい?」「持っとかなきゃ?」と、「?」マークをつけながら頭の中で繰り返す。何度か同様の発言をいただくことによって嫌な記憶として定着し、逆に腕時計なんかつけない、と意固地になっている。立派な腕時計をつけ、自分はこういう時計をつけることができています、とアピールする光景に滑稽な気持ちを抱く。そういう意味でつけているわけではないので誤解しないでほしい、と言いたい人もいるだろうが、こちらに言うよりもまず、「いい腕時計の一本くらい」と触れ回っている人に「そういうのやめてもらえませんか」と告げることを優先してほしい。
1500円の時計と15万円の時計
腕時計については、芸能人が高級腕時計をつけていることに違和感を覚えた蛭子能収が記した、この無駄のない一節がすべてだと思っている。
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