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こんにちは、きのコです。
先日アメリカにて、3人以上で利用できるパートナーシップ制度が制定されました。
ポリアモリーのカップルでも「パートナーシップ制度」を利用することができ、登録するとパートナー関係にある全員が、病院での面会や、市の健康保険などにも登録できる。また民間企業においては、パートナーに対する福利厚生も受けることができる(実施するかは各企業次第)。
(米の都市、ポリアモリー(複数恋愛)を公的に認める)
このパートナーシップ制度は、伝統的な婚姻制度のひとつである一夫多妻制などの「ポリガミー」とどう違うのでしょうか?
今回は、ポリアモリーとポリガミーについて、相違点をお伝えしていきたいと思います。
ポリアモリーは法的な"制度"ではない
ポリガミーとは、3人以上で結婚する制度を指します。対義語はモノガミー(一夫一婦制)です。
ポリガミーにはさらにいくつかの種類があります。最も多いのが、カナダの一部や、中東、アフリカなどで見られる一夫多妻制(ポリジニー)。チベットやインドの一部には、一妻多夫制(ポリアンドリー)が伝わっています。
シリア、イラク、パキスタン、モロッコ、ヨルダン、エジプト、アルジェリアなどの国でも、一夫多妻制が認められています。またアメリカでは、モルモン教の一派であるモルモン教原理主義派(FDLS)が一夫多妻の教義を採用しています。
フランスやオランダ、ブラジル、コロンビアでは3人でカップルになることが認められていて、これは“シビルユニオン(市民同盟)”と呼ばれます。シビルユニオン(またはシビルパートナーシップ)とは、結婚に似た「法的に承認されたパートナーシップ関係」のこと。アメリカでは、ドメスティックパートナーという語がシビルユニオンと同義のものとして用いられていて、今回制定されたパートナーシップ制度は、このドメスティックパートナーに当たります。
婚姻制度の一種であるポリガミーと違い、ポリアモリーは法的な“制度”ではありません。一部のポリアモリーの人々は、ポリガミーとポリアモリーの違いを以下のように主張しています。
ポリガミーが宗教的や地域的な伝統によって規範化された結婚制度なら、ポリアモリーは文化的な構成物というのだ。集団婚形態を帯びるかパートナーの不倫を認めるなど既存規範から脱して自分たちだけの結婚行動を決める「開放結婚」という点が核心だ。
(【噴水台】ポリアモリー)
なかでも旧来の一夫多妻制は、”女性差別的“である点においてポリアモリーとはまったく異なる、と言われることもあります。
たとえば、日本におけるポリガミーの一種だった側室制度においては、正室や本妻と呼ばれる“正式な配偶者”がたった1人いて、その他の女性たちはそれよりも低い地位におかれました。正室の立場が「家族」であるのに対し、側室の立場は厳密にいえば「使用人」のようなものです。
さらに、側室入りするのは必ずしも女性本人の自由意志や男性との合意によってではなく、「将軍から一方的に指名されて」「親から政略的に献上されて」といったケースもあったといいます。
重要なことは関係者全員の合意と平等
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