「彼氏ともう一ヶ月もレスなんだよねぇー」
と重い吐息をついた先輩を慰めようと、
「大丈夫ですよ! 私たちなんてまだセックスしてすらいませんから!」 と返したら、
「付き合って4年も経つのにあんたたちはいったい何をしてるの?」 とギョッとされた。
そこから先輩は野次馬へと豹変し、「4年間セックスなしでどうやって付き合ってるの?彼はエロに関心ないの?ていうかセックスしないなら、デートはいつも何してるの?」 と矢継ぎ早に質問を重ねてきた。
恋人という関係性でありながらもいまだに処女・童貞を保っている私たちの話をすると、たいていの人が同じ反応を見せる。
それが普通の反応なのかと納得してはいるものの、私は交際開始から一ヶ月経っても、半年経っても、4年経っても、手を出してこない彼氏のことがけっこう好きだ。
たしかに私も、彼氏も、セックスを知らない。
セックス経験者たちが口を揃えて言うように、きっとセックスは素晴らしいものではあるのだろう。
しかしながら、恋人間において必要不可欠な愛情表現だと断じることについては、いささか違和感がある。
この度は私たちが肉体関係において「純」な交際を始めるに至った経緯と、セックスをせずとも満たされている性生活を書き記しておこうと思う。