福本千夏
脳性まひ者、ZOOM会議デビュー
いろいろなことが起きた、今年の春先。福本さんもまた、新たな一歩を踏み出していました。混乱のさなかの3月にネットインタビューを受け、新しい生活様式がはじまった6月には東京大学「障害者のリアルに迫る」ゼミさんとのオンライントークに参加しました。1年間続けてきたこの連載も、最終章です。コロナ禍での日々、考えたこと、これからのこと。3回にわたって掲載します。
みなさん、おひさしぶりです。
私は、ひとりでは遠出どころか、近場の買い物もままならず、必然的に自粛・いつもロングステイホームです。
街に人が戻り、電動車いすを操り一人で電車に乗る方もお見掛けします。
でも、怖がりの私は、コロナ以降、生活様式も少しずつ変えながらひっそりと生きてます。
少々お高いことに目をつむりさえすれば、なんとかなることも結構ある。買い物は宅配に、美容院や鍼灸治療は、訪問をお願い。ヘルパーさんの訪問時間もなるべく短くして、触れずにできる用具で家事の仕方も工夫しています。全自動掃除機や、センサーで動くゴミ箱やハンドソープ、汗ばむ季節には、塩素除去のシャワーヘッド。こんな道具を、多くの人が手にできるように福祉衛生用具として介護ベッドや車いすに加えてほしいな。
人の暮らしがソーシャルディスタンス化した今、福祉サービスの形も変えていかんとね。
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「障害マストゴーオン!」が本になりました。魂込もった千夏節、ぜひお読みください。
この連載について
福本千夏
脳性まひ者の福本千夏さん。
50歳にして就職して、さまざまな健常者と関わる中で、感じた溝を語ります。
著者プロフィール
福本千夏(ふくもと ちなつ)
1962年生まれ。動物界ヒト科、脳性まひアテトーゼ型。寝ている間以外、どこかしらの筋肉を緊張させている。手足の動きとハスキー漏れボイスが独特。好奇心と人に恵まれ、幼稚園から大学まで普通校で学ぶ。
独り暮らし、結婚、子育てをし、平凡で幸せな時間をすごす。2008年、夫(高校教師)が2年間のがんとの共生後死亡。専業主婦を廃業。絶望の中、息子にいのちの根っこを支えられ続け、2012年、地震などで被災した障害者を支援する団体「ゆめ風基金」に入職。現在、人間修行中。