「一番街のパン屋さん」と呼んでください
「“一番街のパン屋さん”と呼ばれるのが、なんとなく嬉しい」そう話すのは、『ベーカリー&カフェ ミクすチャー』のオーナー・中井慈さん。大学時代からカフェに憧れ、サラリーマンを経て、2005年12月、下北沢・一番商店街のパン屋「大英堂」の跡地にお店をオープンしました。
ここで確認しておきたいのは、「ミクスチャー」はあくまでも“ベーカリーを備えたカフェ”であること。なのですが、地元ではすっかりパン屋さんとして浸透しちゃっています。お店の正式名称である「ミクスチャー」と言っても通じないことすらあるそうで、お昼休みにパンを販売している近所の成徳高校や、地元の店舗に電話をかけるときなどは、中井さん自ら「下北沢一番街のパン屋の、カフェミクスチャーですが...」と切り出すほど。
「もちろん名前を覚えてもらえれば嬉しいけれど、そんなに固執はしてません。なかには、商店街の角にあるパン屋だから“カドパン”って呼ぶお客さんもいらっしゃるんですが、なんだか地元っぽくて素敵ですよね」
ニコニコ微笑みながらそう語る中井さん。ミクスチャーに流れるやわらかい空気は、きっとこの笑顔のおかげに違いありません。お店をオープンして約8年が経つ今でも、「地元の人に愛してもらえるお店でありたい」という思いを一番大切にしているのだそうです。
右から、コーヒー食パン、とよんちのたまごパン、一番街コロッケパン
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