2020年版・寺田心さんを考える

今回とりあげるのは、3度目となる寺田心さん。基本的に敬称を使わずに論じられる本連載で、唯一「さん」と称される御人。小学校6年生になった寺田心さんを、武田砂鉄さんはどうみているのでしょうか。

取り上げるのは3度目

この連載で寺田心さんを取り上げるのは3度目になる。日頃、とりあげる芸能人を「敬称略・呼び捨て」で記しているが、寺田心さんについては「さん」づけを徹底してきた。寺田心さんが出演したテレビ番組を見ていると、同席した面々はもれなく「心くん!」と呼びかけ、がむしゃらに愛でるところから始まるが、その切り込み方では寺田心さんの現在を捉えることはできないと考えている。何度もそう繰り返し主張してきたのだが、「こんなにかわいいのに、大人びている」という意外性に驚く流ればかりが続く。

「いつもの流れ」を自覚している

寺田心さんがゲスト出演した『しゃべくり007』(11日・日本テレビ系)を3回見た。寺田心さんを考えるには、雰囲気ではなくディテールを追うことが大切である。基本的に今回も「こんなにかわいいのに、大人びている」という展開だったが、寺田心さんはこの「いつもの流れ」を自覚している。中身は30代ではないかとか、まるで瀬戸内寂聴さんみたいだなどと驚かれ、困惑する姿を見せる。その律儀な応対に再度驚かれる、というところまでがワンセットになっている。

現在、小学6年生の寺田心さんは、「6年生の目標」を「下級生を支える」とした。これは撒き餌だ。周囲の芸人がたちまち、えっ、自分たちが6年生の頃なんて、と焦る。内心を探ることはできないが、「6年生の目標は下級生を支える」とするのと、「6年生の目標は下級生を支えるということにしておく」とするのでは、発言の意図が根本から変わる。後者ではないかと思っているが、それを確定させる要素を提示してくれるわけではない。この差を追求させないところが寺田心さんの巧みさである。

せめぎ合う自覚
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ワダアキ考 〜テレビの中のわだかまり〜

武田砂鉄

365日四六時中休むことなく流れ続けているテレビ。あまりにも日常に入り込みすぎて、さも当たり前のようになってしったテレビの世界。でも、ふとした瞬間に感じる違和感、「これって本当に当たり前なんだっけ?」。その違和感を問いただすのが今回ス...もっと読む

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コメント

newtondesigning 寺田心さん恐るべし! 5ヶ月前 replyretweetfavorite

takedasatetsu 寺田心さんについて、年に一回くらい書いています。最新版です。 「成熟って未熟の先に用意されるが、寺田心さんの場合においては、成熟の後に未熟が用意されている。これって、前代未聞の事態ではないか」 https://t.co/YJKKGKiMKP 5ヶ月前 replyretweetfavorite

iwanagahana この連載の寺田心さん研究大好きなんだよな 5ヶ月前 replyretweetfavorite

dolcevita0204 寺田心さんは玄関でチャックを開ける瞬間を誰にも見せないのである。これぞプロの仕事である……声あげて笑ったw 5ヶ月前 replyretweetfavorite