なぜ日本史の授業はつまらないのか?
高校生のころ、いつも不思議に思っていることがありました。
「どうして歴史小説はおもしろいのに、日本史の授業はこうもつまらないんだろう?」ということです。
日本史や世界史は、典型的な暗記科目です。覚えることが多いからつまらない。そう考えることはできます。しかし、歴史小説を読むのだって、登場人物はもちろん、時代背景から専門用語まで、覚えることはたくさんあります。脚注のない小説だと、自分で辞書を引いて調べなければなりません。覚える苦労でいえば、日本史の授業とさほど変わらないような気もします。
なのに、日本史や世界史の授業はおもしろくないし、苦痛ですらある。教師の問題なのか、教科書の問題なのか、それとも日本の教育制度そのものの問題なのか。よくわからないまま、ぼくは高校を卒業しました。

そして大人になり、ライターの仕事をはじめるようになってから、なんとなく答えがわかってきたような気がしています。歴史小説はおもしろいのに日本史の授業はつまらない、最大の理由。それは〝説得〟と〝納得〟というアプローチの違いなのです。
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