ジャニーズによって、日本の家庭は守られている!
白河 そういえば、最近ふと「日本の家庭の平和は、ジャニーズ事務所が守っているんじゃないか」と思ったことがあったんですよ。
二村 なんすか、それ!? おもしろい。
白河 近年まで、日本人は「癒し」というものを家族に求めている部分が多かったと思うんです。でも、それが家族制度の崩壊とともに、どんどん「家族じゃない人」や「存在」が背負うようになってきているんですよ。
二村 その「家族に取って替わる、新しい癒しの存在」が、男性アイドルか……。
白河 たとえばなんですけど、以前だったら大晦日には家族揃って過ごすのが当たり前でしたが、ここ数年は、大晦日にあるジャニーズのカウントダウン・ライブに主婦が行くケースがすごく増えているんです。
二村 家族じゃなくてジャニーズの男の子と、年末を過ごしたいってことですね(笑)。女性が「芸能人に片想い」するのは、僕は、すごくいいことだと思うんです。
白河 この前ジャニオタの専業主婦の人が出てくる漫画を読んだんですけど、おもしろい描写があって。そのジャニオタ主婦の家では、家族写真の横に嵐の二宮くんの写真が置いてあるんです。それでお客さんに「これはなんですか?」と聞かれると「家族写真です。ニノは、家族と同然だから」って言うんですよ。もう「日本の家庭の平和は、嵐によって守られているんじゃないか!」と錯覚してしましたよ(笑)。
二村 お父さんが知らない間に、家族の一員が増えているというケース……(笑)。男たちのインチキ自己肯定だらけの社会だから、女性はみんな理想を求めてジャニーズに走っちゃうんですかね。
白河 ジャニーズだけじゃなく、お母さんたちの恋心を上手に取り込むビジネスが流行しているわけですから。戦隊ヒーロー番組にはイケメン俳優が大勢出演していて、子どもだけじゃなく、お母さんたちがハマっているとか。ちゃんと市場を押さえているんですよね。
二村 日本の家庭では、結婚してしまうと男女が「お父さん・お母さん」になってしまうので、男女の色っぽい関係がなくなってしまうというお話もありましたよね。だからこそ、【男】ではなくなったお父さんの代わりに、お母さんは「アイドル」を男の代替物にしているわけですね。
白河 浮気して外に行っちゃうよりは、よっぽどいいと思います。
女性化していく社会
二村 ものすごく根本的な問題かもしれないんですけど、聞いていいですか? そもそも結婚って必要な制度なんでしょうか?
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