友達を紹介される場面でどう振る舞うか問題
【登場人物】
清田隆之
桃山商事・代表
1980年生まれの文筆業
森田雄飛
桃山商事・専務
同じく1980年生まれの会社員
ワッコ
桃山商事・係長
1987年生まれの会社員
清田 桃山商事の恋バナ連載、今月は「恋人の友達」をテーマにお送りしています。
ワッコ 前回は、恋人の友達に紹介される・されない問題が話題になりましたよね。
森田 実際に友達を紹介される場面でどう振る舞うかっていうのも、結構重要なポイントじゃない? 俺はそういう時、事前にイメトレしたりするよ……。
ワッコ 入念(笑)。
森田 「彼女の友達に、よく思われたい」っていう気持ちが強いんだと思う。
清田 わかる。
森田 あと、彼女に恥をかかせたくないみたいなことも考えるかな。意識しすぎて挙動不審になっちゃったこともあった気がする。
清田 それでいうと、桃山商事の佐藤広報の大学時代のエピソードを思い出した。当時、佐藤広報は別の大学に通う女性と付き合っていて、彼女のサークルの友達に会う機会があった。ちなみに彼女のサークルは、確か広告研究会だった。
ワッコ 広研ってやつか! なんとなく、意識高めの陽キャな人たちが集ってるイメージがあります。
清田 実際、佐藤広報がサークルの集まりに行ってみたら、華やかなチャラい男女がたくさんいたんだって。
森田 佐藤広報的には、穏やかじゃない状況だね。
清田 しかも、彼女はサークルの男友達にいじられていたらしくて……軽く頭を小突かれてつっこまれたりしてたんだって。それに対して彼女もまんざらじゃない感じで振る舞っていたようで。
ワッコ 彼氏としてはあまり見たくない光景……。
清田 その当時の佐藤広報は「彼女に男友達がいること自体がイヤ」という考えを持っていたから、速攻でぶんむくれてしまったとのことです。
ワッコ 「俺の彼女に何してくれてんだよ?」みたいな感じですかね。
清田 想像するに、「こいつはウチら所属だから」って縄張りを主張されたように感じたんじゃないかな。大事な彼女を勝手におもちゃにされてるような感覚もあったかもしれない。
森田 そのサークルの男性たちも、佐藤広報を意識して過剰にやってたところもあるような気がする。
ワッコ 確かに。かましが入ってたのかも。「こっちのいつものノリみせてやるよ」みたいな。
森田 そこであえて冷静を装うという選択肢も佐藤広報にはあったとは思うけど、なかなかそうはいかないよね。
清田 結局すぐに退散したみたい。彼女は後から友達に「カレシ挙動不審だったけど大丈夫?」って言われたらしい。
ワッコ それもツラい……。
彼女が「一番」なはずなのに……
森田 今の話って、友達とのやりとりを通じて普段とは違う一面を見てしまったっていう話でもあるよね。自分の持ってるイメージと食い違いが生じているわけだから。
清田 そういえば、俺自身もそういう経験がある。かつて6年半付き合っていた恋人とのことなんだけど、彼女にはしょっちゅう会っている仲のいい女友達が2人いた。
ワッコ いつメン(いつものメンバー)ですね。
清田 元々彼女とは古い友人だったから、その2人のことも昔から知い合いではあったんだよね。で、付き合い始めてからすぐの時期に、改めて俺と彼女とその友人2人でご飯を食べに行くことになり。
森田 これまでとは違う立場で出向いたわけね。清田はどう振る舞ったの?
清田 3人でキャッキャ盛り上がってて、なんか俺は「背景」みたいな感じでおとなしくしてたのよ。で、彼女たちが話す様子を観察していたら、彼女たちのパワーバランスが想像してたのとは違うことに気がついて。
cakesは定額読み放題のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。cakesには他にも以下のような記事があります。