いつのまにか、お父さんと重なった

「モテる文体とはなにか?」を徹底的に分析する連載です。今回は、永麻理さんの「強いエピソードの出し方」に迫ります。書評ライター・三宅香帆さんの著書『文芸オタクの私が教える バズる文章教室』から特別収録。

永麻里の代弁力
あなただから書ける文章が好き。


突然ですが、「いい香りがするような文章」ってありません?

プロの作家が書く文章はもちろん、ブログやSNSの記事でもなんでも、ちょっと前を通りかかっただけで、なんとなーくいい感じがして、ついつい吸い寄せられてしまうような。
私もいい香りのする文章が書きたいなあ、とひそかに思っていたのですが、どうやったらそんな文書を書けるのかと言えば、まったくわかりませんでした。
この文章と出会うまでは。

自分が体験したエピソードから、ある気づきにいたった文章です。

実際は、もともと自分の主張があり、(なぜそう言えるのか?)という根拠を、個人的なエピソードで裏付けています。これは、よく見られる書き方です。

たとえば永麻理さんの文章の場合は、
・「粋」=恥ずかしい気持ちが強いからおこなうこと。
・堂々と誰かを喜ばせること=「野暮」
という個人的な主張がもともとあり、その主張を、父・永六輔さんとの思い出によって裏付けています。

永六輔さんは、誰もが認めるであろう江戸っ子です。
「粋」や「野暮」の正解を語れる数少ない人物でしょう。説得力があります。

ふむふむ、なるほどねと読んでいると、あることに気がつきます。


〉江戸っ子は、恥ずかしい気持ちが強いからこそ「粋」に繋がるのだとよく言っていた。


という一文までは、主張の主が永六輔さんだとわかる。

しかしその文章以降はどうでしょうか。

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文芸オタク女子の バズる文章教室

三宅香帆

こんな書き方もありだったのか! 文芸オタク女子が暴露する、「モテる文章の秘密」がいっぱい。文章を書くという行為が、今よりもっと面白くなるはずです。

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