桃山商事の恋バカ日誌

新婚旅行で陥った「男らしさクライシス」

「失恋ホスト」として数々の恋愛相談を受けてきた恋バナ収集ユニット「桃山商事」の3人が、さまざまな角度から恋バナ談義を繰り広げるこの連載。今月のテーマ「男らしさクライシス~『ダサい』をめぐって」の第2回は、森田さんの新婚旅行のエピソードです。森田さんが海外でハマってしまった”ダサさのドツボ”とは?

缶詰をうまく開けられないというダサさ

【登場人物】

清田隆之
桃山商事・代表
1980年生まれの文筆業

森田雄飛
桃山商事・専務
同じく1980年生まれの会社員

ワッコ
桃山商事・係長
1987年生まれの会社員

清田 桃山商事の恋バナ連載、今月は「男らしさクライシス〜『ダサい』をめぐって」というテーマでお送りしています。

ワッコ 前回は強がり系のダサい言動が話題になって、その流れで聞けばいいじゃん問題が浮上しましたよね。例えば道に迷ったときに、人に聞けばいいのに素直に聞けないとか。

清田 あれ、なんなんだろうね。俺もそれに陥っちゃったことが何度もあるんだけど……。

ワッコ 元カレと旅行に行ったときに、「あそこにいる駅員の人に聞いた方がよくない?」という話なっても、彼はいつも一歩も動かなかったんですよ。なのでわたしが聞きに行くことになり、結果的に「そういう役回りはいつもわたしじゃん!」みたいに思ったことがありました。

森田 俺も聞けないタイプだから、耳が痛いです……そういえば新婚旅行でカナダに行ったときに、まさに聞けばいいじゃん問題が勃発したことがあった。

清田 旅行はそういうのが起きがちなのかもね。どんな状況だったの?

森田 数日だけ山奥のキッチンのある宿に泊まって、自炊した日があってね。自炊といっても、パスタを茹でて缶詰のソースをかけるくらいの簡単な感じだったんだけど。

ワッコ 楽しそうじゃないですか!

森田 ただ、いざ缶詰を開けようとキッチンの引き出しを探しても、よくわかんない道具はいくつも入ってるのに、肝心の缶切りが見つからなくて……。

清田 それは困っちゃうね。

森田 仕方ないからフロントに電話してたどたどしい英語で缶切りを貸してくれと伝えたら、「おかしいな? 部屋にあるはずなんだけど」と言われて、「探したけど、ない」と主張して持って来てもらったの。

ワッコ 一件落着ですか。

森田 と思ったんだけど、そこでフロントのお兄さんに手渡されたものは、さっき俺がキッチンの引き出しで見た道具だったんだよ。

清田 どういうこと?

森田 それはこういう道具だったんだけど……。

ワッコ これはわからないかも(笑)。

森田 欧米だと一般的なやつみたいなんだけど、渡されたときに「えっ?」となったよ。缶切りだと認識できないくらいなんだから、使い方なんて当然わからないわけで。

清田 ホテルのお兄さんに教えてもらうのがベストなんだろうけど……。

森田 なんとなく恥ずかしくて聞けなかった(笑)。「あるはずだけど」と言われたのに「ねーし!」と言って持ってきてもらったから……。

ワッコ 向こうからしたら、「やっぱりあったんじゃん」ってなりそうですよね。

森田 なので「Thank you!」と笑顔で受け取って、結果的に缶切りが2個ある状況になった。

ワッコ 両手でいける(笑)。

森田 本当は同じモノが引き出しに入ってるってことは、妻にも言わなかったんだけどね。

清田 そこも隠蔽したんだ(笑)。それで結局どうしたの?

森田 グーグルで検索しました。けれどそもそも俺は「道具」をうまく扱うことが苦手だということもあり、うまく開けられなくて。

清田 ああ……森田はそういうの全然ダメだよね。

森田 不器用だし、力学的センスがないんだよ。

ワッコ 力学的センスって(笑)。

森田 本来とは違う使い方で無理矢理こじ開けようとしたんだけど、それでもなかなか開かなかった。

ワッコ パスタはすでに茹でてるんですよね?

森田 格闘する俺を横目に、妻がバッチリ整えてくれていた。

清田 森田待ちになっているのね。

森田 俺は缶切りをガチャガチャやりながら「なるほどそういうことか」みたいなことをつぶやいて冷静を装いつつ、内心では「あー、どうしようどうしよう」と焦っていた。

ワッコ どうしようどうしよう(笑)。

森田 そのときに、たまたま別件でさっきのフロントのお兄さんが部屋に来たのね。

この続きは有料会員登録をすると
読むことができます。
cakes会員の方はここからログイン

1週間無料のお試し購読する

cakesは定額読み放題のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。cakesには他にも以下のような記事があります。

人気の連載

おすすめ記事

この連載について

初回を読む
桃山商事の恋バカ日誌

森田雄飛(桃山商事) /清田隆之(桃山商事) /ワッコ(桃山商事)

2001年の結成以来、「失恋ホスト」として1000人以上の男女から恋のお悩みやエピソードを聞き続けてきた恋バナ収集ユニット「桃山商事」がお届けする、新感覚の恋バナ談義。普段ほとんど語れることのない恋愛の様々なテーマを毎回ひとつ取り上げ...もっと読む

この連載の人気記事

関連記事

関連キーワード

コメント

tsujiihiroyuki 恥ずかしいと思うこと自体が「本当の恥」を生んでる気がする。 7ヶ月前 replyretweetfavorite

nyansomnia ダサいを回避しようと… https://t.co/ld2tZwSiRv 7ヶ月前 replyretweetfavorite

orz404 完全に迷ってるのに同行の男性がかたくなに道を人に尋ねようとしないあるある、あるある… 7ヶ月前 replyretweetfavorite

niina_noriko 「「ダサいと思われたくない」という感覚には男らしさの呪縛みたいなものも感じている。」「「恥」は自己イメージを守るための警告の感情で、「恥」が強いと『こうあらねばならない』という規範意識も強くなる」 https://t.co/x7ZMdNfQ24 7ヶ月前 replyretweetfavorite