境界性を侵されて育つとどうなるか

「すぐにびっくりする」「うるさい場所を嫌がる」…。5人に1人といわれる敏感気質(HSP/HSC)のさまざまな特徴や傾向を解説。HSCの子を育てる親向けに、「敏感である」を才能として活かす方法を紹介します。『子どもの敏感さに困ったら読む本』をcakesで特別連載!(毎週木曜更新)

境界性を侵されて育つとどうなるか

 外国の多重人格の場合、90パーセント以上は、その背後に性的虐待の影響があります。ところが、日本の調査では半分ぐらいしかいない。残り半分は、身体的虐待やネグレクト(放棄)などの「きびしい虐待」と、過保護、過干渉などの「やさしい虐待」が含まれています。
 虐待というのは、本来、有無を言わさず、服従させられる、自分を抑えつけられる、というものですが、ひどい虐待行為など一切やらない、「やさしい虐待」が、結果的には「きびしい虐待」同然のことになってしまうのです。なぜか。それは、子どもを支配しようとするからです。
 HSCであることを心配しすぎたり守りすぎるということは、やさしい虐待になってしまいます。

 性暴力加害の中で性器露出、痴漢、強制わいせつなどをする人は、母が過保護、過干渉で、父は無口で関わりのない窮屈な家庭が多い。社会的スキルが不足し、女性とうまく接することができなくて性暴力加害をしてしまうのです。
 過保護、過干渉で育つと、どうしても社会的スキルが弱く、世の中と渡り合えず、引っ込み思案型の性格になります。でも、女性に興味はある、だから、堂々と接触しないでこっそりやる。「実際に触ったわけじゃない、写真を撮るぐらい、別にいいだろ?」という発想になるのです。盗撮行為というのも、相手のプライバシーを侵すことだ、という考え方ができないのです。なぜなら、小さいころから自分は親にずっと侵入されっぱなしで育っているからです。そうされるのが当たり前だと思っているので、やってはいけないことがわからない。判断できないのです。
 一方、接触型の性暴力加害を起こしてしまいやすいのは、父親に理不尽に扱われてきたタイプの男性です。普通でしたらそこで母親が助け船を出してくれて、精神的なバランスがとれるのですが、母親が歯止め役をやらなかった場合、その子の心はすさんでいきます。そして自分の鬱憤を晴らしたいので、弱い人に矛先を向ける。女性に向かってしまうのです。

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子どもの敏感さに困ったら

長沼 睦雄

「すぐにびっくりする」「うるさい場所を嫌がる」…。5人に1人といわれる敏感気質(HSP/HSC)のさまざまな特徴や傾向を解説。HSCを育てる親に向けて、「敏感である」を才能として活かす方法を紹介します。『子どもの敏感さに困ったら読む本...もっと読む

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