仲哀天皇、父を偲び白鳥を献上させる。
新羅遠征に同意せず、急死
タラシナカツヒコ(足仲彦天皇=第十四代仲哀※ちゅうあい天皇)は、ヤマトタケル(日本武尊)の皇子で、母は垂仁(すいにん)天皇の皇女・フタジノイリビメ(両道入姫)です。
仲哀天皇の父・ヤマトタケルは、天皇がまだ二十歳にもならないうちに亡くなり、白鳥の皇子と呼ばれました。それで父を偲び、白鳥を捕まえさせて、宮中の池で飼おうと思いました。
越国(こしのくに)のある者が、白鳥を四羽、献上するために運んできて、宇治川のほとりに泊まっていました。
そのとき、天皇の異母弟・カマミワケ(蘆髪蒲見別王)がその白鳥を見て、どこへ持っていくのか尋ねました。天皇に献上すると言うと、
「白鳥といっても、焼けば黒鳥になるだろう」
と言って無理やり奪い取り、持ち去ってしまいました。
越国の者は驚いて、朝廷に参上して訴えると、天皇はすぐさま兵を差し向けて、カマミワケを殺してしまいました。
cakesは定額読み放題のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。cakesには他にも以下のような記事があります。