雑談の目的は、関係構築。どんな話題でもいいから、とにかく会話のラリーを続けるのがキモです。
でも、うまいオチや、納得のいく結論を求める人は多いものです。そういう人たち相手に話すときには、ちょっとした工夫が必要になります。
自分が話す順番が回ってきた、エピソードは思いついた、でも、オチは見えない。そんなときは、どうすればいいのでしょうか。
ゴールが見つかってから話そうと思っていると、なかなか話を始めることができず、そのうち、場が盛り下がってしまいます。
かといって、見切り発車で話を始めてしまうとあとが苦しくなります。途中でオチが見つかれば……という願いもむなしく、話はあっちへうろうろ、こっちへうろうろ。
実は、こうした事態は簡単に避けられます。話の最初に、こう宣言すればいいだけ。
「全然オチのない話なんですけど、いいですか?」
不思議なもので、こう聞かれて「オチがない話ならやめてください」と答える人はいません。たいていは「どうぞどうぞ」と笑いながら歓迎してくれ、しかもオチがなかったとしても「やっぱりオチがなかったですね」とにこやかに受け入れてくれます。
話すほうも宣言してしまうことで、リラックスしていますから、話はスムーズに進み、結果的に周りの人が着地点を見つけてくれることもあります。
「超どうでもいい話なんですけど」
「くだらない話、していいですか?」
も同様の効果があります。
◆「ネタバレ技法」で相手を安心させる
この「話の結末を先に言ってしまう」、いわゆる「ネタバレ」の話術は、さまざまな雑談シーンで応用が利きます。
「うちの会社で本当にあった、人事にまつわる怖い話していいですか?」
「実家で飼ってる犬がほんとにバカだっていう話なんですけど」
といった具合です。
相手からすると、何の話かわからない状態で聞かされるよりも、結末が見えているだけ気がラク。笑っていいのか、心配すべきなのか、どう転ぶかわからない話を聞くのはストレスがかかります。しかし、ある程度心の準備をしながら聞く場合には、気持ちにゆとりも生まれるので、多少すべっても温かく見守ってくれるのです。
逆に、避けたほうがいいのは、
「ちょっとおもしろい話があって」
「このあいだ、爆笑したエピソードなんですけど」
などの話題。話し始める前から、ハードルが上がってしまいます。
◆◆ポイント◆◆
どういう話かを先に言ってしまえば、相手も自分も安心する