"カネを燃やす"投資とハリウッドの組合リスク

【193億ドルの支払い義務がある】
急成長するネットフリックス。1.4億人からの安定収益はあるものの、財務面ではコンテンツへの支出とハリウッドの組合問題という二つのリスクをはらんでいる。

Photo by Y.K.

 あいつらはカネを燃やしている──。ネットフリックスがコンテンツ獲得に巨費を投じる強気の姿勢について、米ハリウッドの映画会社などからはこうやゆされている。

 ネットフリックスの強さを支えているのは、視聴者を飽きさせないためのオリジナル作品をはじめとする多彩なコンテンツである。そして、ネットフリックスの財務諸表からは、コンテンツ獲得に湯水のようにカネをつぎ込む姿が見て取れる。

 コンテンツ獲得費は年々増加の一途をたどり、2018年はついに130億ドルを超えた。これは日本の民放4社を合計した番組制作費の4倍近い額である。

 ここにはオリジナルコンテンツの制作費約80億ドルに加え、米ディズニーをはじめとする他の映画会社やテレビ局が制作した人気作品の配信権を獲得するための費用も含まれる。

 18年末には、人気ドラマ「フレンズ」の配信継続のため、米ワーナーメディアに約1億ドルを支払ったことも話題を集めた。

 コンテンツ獲得への莫大な支出を可能にするのは、約1.4億人の会員が支払う会費だ。ここ数年のコンテンツ獲得費の推移を見ると、売上高の増加に伴い、コンテンツ獲得費が急激に伸びていることが分かる。

 会費という安定収益があるからこそ可能なコンテンツへの巨額投資。現状では売上高の伸びがその額を上回っており、18年は16億ドルの営業黒字を計上した。

 ところが、フリーキャッシュフローを見ると、18年は約30億ドルのマイナス。手元資金の流出は続いているのだ。

 これを補うための手段は借金である。18年末の長期借入金は、前年同期比で約1.5倍の103億ドルまで膨れ上がった。

 19年も86億ドルをコンテンツ獲得に投じることが既に確定しており、将来も含めれば計193億ドルの支払い義務を負っている。

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週刊ダイヤモンド 2019年4/20号 [雑誌]

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ダイヤモンド社; 週刊版
2019-04-15

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