ビジネスモデル崩壊の危機 岐路に立つアニメ業界

【ネットフリックスとの提携は吉か凶か】
ネットフリックスは今、日本のアニメ産業に人とカネをつぎ込んでいる。アニメ各社は新王者とどう向き合うべきか。生き残るために、どんな手を打てばいいのか。

 1話で最大1000万円の赤字──。これはある大ヒットアニメのテレビ放送用の作品制作で被る、アニメ制作会社の損失だ。事情に詳しい関係者は「アニメ制作会社はどこも真っ赤ですよ」と懐事情を明かす。

 アニメ産業は今、ビジネスモデル崩壊の瀬戸際にいる。これまでアニメ作品は、長らく映画会社やテレビ局を中心に組成される製作委員会によって供給されてきた。制作会社は製作委員会の一員として、川中で実際の作品制作を担ってきた。

 ところが、求められる質を維持しようとすると、製作委員会から支払われる制作費では到底足りず、原価割れすることが長年の業界慣習だった。

 この時点でビジネスモデルは成立していないように見えるが、一昔前であれば大きな問題ではなかった。DVDやグッズ販売を原資とした製作委員会からの分配金で、赤字補填ができたからだ。

 しかし2018年、ついにビデオソフトの売上高はピークから半減。制作会社にとっては赤字を補填する当てがなくなりつつあり、ビジネスモデルはまさしく崩壊寸前なのだ。

 ネットフリックスは、そんなアニメ業界に彗星のごとく現れた。

 18年1月、大手制作会社のプロダクション・アイジーやボンズとの戦略的提携を締結。19年にはさらに4社と提携し、従来の製作委員会方式ではなく、単独で制作費などの一切のコストを支払い、独占配信するオリジナル作品の制作を進めている。

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週刊ダイヤモンド 2019年4/20号 [雑誌]

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ダイヤモンド社; 週刊版
2019-04-15

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