読売新聞を率いるナベツネの持つ流通網の最大の特徴は、日本全国約7000店の販売店だ。朝日新聞や毎日新聞は、人口減少が急速に進む郊外から人口密集地の都市圏へ販売の重点を移しており、販売店数は右肩下がり。そんな中、読売新聞は日本全国、津々浦々に配達する態勢を維持。自前の販売網を死守している。それが世界最大の新聞の地位を揺るぎないものにしている。
一方、ネットフリックスは世界190カ国以上で、会員が好きなときに好きなコンテンツを、どこででも見られる体制を整えた。
コンテンツのデータ供給を支えるのは、米アマゾンのクラウドサービス「アマゾン・ウェブ・サービス」。ナベツネと違い、こちらは自前ではない。
だが、同社の自慢の技術部隊が、通信インフラの強弱に左右されずに大容量の映像データを見ることができるように、データ伝送や圧縮の技術を改善。どのような環境でも、快適に動画が楽しめる体制を整備している。
顧客の心理にまで入り込んだ
ネットフリックス
2社は強固なメディアの流通網を持っているという点で共通しているのだが、その中でも最大のポイントは、読者との距離だ。
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