ウエディングで高まった私のクラフト熱についてはこれまで何度かお話ししたが、娘の結婚式では、それ以外にも多くの人が「手作り」で貢献してくれた。今回は、(これまでご紹介したものも含め)ウエディングで重要な役割を果たした「手作り」の数々をご紹介しよう。
私にとっては、「自宅の土足問題」をふくめて、会場のデコレーションを考えるとこから全て「手作り」だった。
創作そのものは、手間がかかっても楽しかったのだが、テントやガレージなど、ウエディングの寸前までできない飾り付けのスケジュールを考えるのは辛かった。すでに忙しい人たちに頼むのは心苦しいのだが、どうしても困ったときには、遠慮せずに頼もうと思い、しばらく前からベンのお母さんと私の友人に「式の前日だけデコレーションを手伝いに来てほしい」と予約しておいた。
ベンのお母さんが韓国から訪問している妹と姪を連れてきてくれ、4人の女性がテントの飾り付けを手伝ってくれた。お喋りしながらなので、作業も楽しい。特別な時間をシェアできて、彼女たちにも良い思い出になったようだ。
私の指示でテントの飾り付けを手伝ってくれた女性軍団。
会場準備中。窓枠に置いているのは、ある夜私がふと思いついて作ったチュールとコーヒーフィルターの花の「飴玉くるみ」。飾り付けをしている日に背が高い夫が出張で不在だったので、ペンキ用のはしごを使って設置。
すべての準備を自分たちでやった。
アメリカのバックヤード・ウエディング(裏庭を使った結婚式)に欠かせない、大きな手作りをしてくれたのは、ベンのお父さんだ。
「ウエディング・アーチ」は式で誓いの言葉を交わす場所を特別にする。アリソンとベンのウエディングでは、家具作りを趣味にしているベンのお父さんがそれを手作りしてくれたのだ。
それを私とアリソンが一緒に布やリボンでデコレーションしたのだが、母娘一緒にウエディング・アーチを飾るのは儀式のようで、とても感慨深かった。
また、フラワーアレンジメントを自分でやるという野望は挫折したが、私が頭に描いていたイメージがプロの手でちゃんと実現したのはちょっと誇らしかった。
花屋さんに「こんなのにしてください」と作って見せ、当日実現したフラワーアレンジメントの数々。右はベンのお父さんが「鳥居」のイメージを取り入れて作ってくれたウエディング・アーチ
ウエディングでは、花嫁が入場する直前に、フラワガールとリングベアラーが行進する。フラワガールは花びらを撒き、リングベアラーは「指輪交換」の儀式のための指輪を運ぶ。リングベアラーは通常「ピロー」と呼ばれる小さな枕に指輪を載せるのだが、私は、フラワーガールとリングベアラーの両方がナンタケットバスケットを持つことを提案した。せっかく、ベンの従弟の双子(姉弟)がフラワーガールとリングベアラーの役割を果たしてくれるのだから。
フラワーガール用のバスケット(左)とリングベアラー用のバスケット(右)を白いリボンと手編みの花で飾り付け
リングベアラー用のバスケットの底にあわせてニードルポイント(刺繍)のピローを作ってくれたのは、義母だ。
義母のニードルポイントの腕は「名人」の領域で、毎年孫たちのために異なるデザインのクリスマスオーナメントを作ってくれる。リングベアラーのピローも、結婚式のテーマ(赤と鶴)に合わせたものにし、結婚式に使用した後にクリスマスオーナメントにできるようデザインしてくれた。こうすれば、毎年クリスマスツリーを飾るたびに、結婚式のことを思い出すことができる。
リングベアラーが指輪を運ぶ「ピロー」として義母が作ったニードルポイントのオーナメント。バスケットを選び、リボンとかぎ編みの花で飾ったのは私。
このピローに乗せる指輪も、ベンとアリソンの手作りだった。
一般的には花嫁は大きなダイヤモンドがついた婚約指輪を求めるものだが、アリソンは最初から「婚約指輪はいらない」ときっぱり伝え、そのかわりに、アリソンがベンの、ベンがアリソンの結婚指輪を手作りしたのだ。
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互いへの思いを込めて作った指輪(左上)で指輪交換(右)。それを興味津々でチェックする参列者(左下)。