儲かる農業2019

止まらぬ“金融依存”に打つ手なし「開き直り農協」が増殖中

JAグループは表向き農家の所得を増やす「自己改革」なるものに取り組んでいることになっている。だが、本誌「担い手農家アンケート」の回答から、改革の“真の姿”が見えてきた。

 自民党の小泉進次郎氏が農林部会長だった2017年前後、農政の会議は立すいの余地もないほど国会議員が集まっていた。だが、その会議室はいま閑古鳥が鳴いている。

 小泉氏ら改革派が重要ポストを退いた上、選挙の季節が到来。反発が大きい農協改革は夏の参院議員選挙が終わるまで打ち出せない状態になっているのだ。選挙後も、農政改革の機運が高まることは期待できそうにない。

 18年の自民党総裁選挙で、安倍晋三首相の農協改革に反発する一部の農協幹部は対抗馬の石破茂氏を推し、集票力を地方で見せつけた。これにより政府が農政改革に及び腰になっているのだ。


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 一方、JAグループは「金融依存から脱却しなければ農協経営が行き詰まる」という不都合な真実に目を背け続けている。

 JAバンクの元締めで、農協が集めたお金で運用益を上げ農協に還元してきた農林中央金庫の業績は右肩下がり。17年度の純利益は3期前の3分の1、1476億円に減少した。政府の圧力の有無にかかわらず、農協が金融依存を脱し、本業の農業関連事業を強化しなければならないのは自明の理だ。

 だが、こうした状況下で、JAグループの司令塔、JA全中が全力を挙げているのは、農協が引き続き金融を行えるようにする特例措置(総合事業)を維持するための「お手盛りアンケート調査」だ。

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農業はテクノロジーで激変する。新時代の生産・流通革命に柔軟に対応できる農家だけが「儲かる農業」を実現できる。パートナーや事業を機動的に組み替えられる小規模農家にこそ勝機はある。 ダイヤモンド編集部・千本木啓文、浅島亮子、重石岳史/デー...もっと読む

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