異色のキャリアを持つ農業ベンチャー社長が、テックの力で農業界に新風を吹き込もうとしている。
農産物の卸売りや農業支援を手掛けるHappy Quality(ハッピークオリティー、静岡県袋井市)の宮地誠社長は、青果市場に21年間をささげた元競り人である。5年前に起業してからも、「私は、農家ではなくて八百屋です」(宮地社長)という自己紹介が、すっかり定着している。
実際には、農業生産法人のサンファーム中山を傘下に持つ、れっきとした農家でもある。「日本の農家には、消費者や市場のニーズを酌むマーケットインの発想がない。こうした農業業界の常識を覆し、高品質・高単価の稼げる農業を目指したい」と言う宮地社長。農家の枠にとらわれない、壮大な将来ビジョンを掲げている。
宮地誠・ハッピークオリティー社長は元競り人。
マーケットインの考え方で業界に新風を吹き込む。Photo by F.A.
現在、夢の実現に一歩近づくための一大プロジェクトが進行している。産業技術総合研究所と組んで、トマトの品質を正確に測定できる新センサーを開発中なのだ。
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