前回、「やっぱり夫には就職してほしくないかも…」と思い始めたことには理由が2つあって、その1つが「ワンオペ育児をしながらでも作家として成功した今の自分が、ちゃんと全力で仕事に取り組んだらどうなるのか見てみたい」という気持ちがあったことだったと書いた。
今日は、もう1つの理由について書いていこうと思う。
2年間、ずっと心のどこかで悩み続けていた
それは「第二子を産むことに備えて」というもの。実は、こちらの理由の方が自分としては圧倒的にメインで「もし、この先、第二子を産むことがあるのであれば、夫は無職かフリーターじゃないと無理!!!っていうかイヤ!!」ということが、私の中で強い意志だった。
というのも、息子を産んでからの2年間、私はずっと、心のどこかで悩み続けていた。そして、最後の半年ほどは実際に声にも出して訴えていた。
「この状況(ワンオペ育児)だと、どうしても二人目を産む気になれない」と。
息子を産んだことによって、妊娠や出産がどういう体調になることなのかを知った。育てるようになって、乳児や幼児がどういう生き物なのかが分かった。そして、我が子というものがどれだけ可愛くて愛おしくて大切にしたい存在なのか、思い知った。
それらを知ったことによって、私は、会社員の夫との間に二人目を産んだとして、その先に平和に暮らしていけるイメージが全くできなくなった。
夫は、婚約した頃から「子どもは絶対に二人以上!!!二人目までは絶対に産んでほしい!これは約束!」と言うようになり、息子が生まれた後もブレずにそう言い続けていた。
だから私は「いつかは二人目を産まなくては」「ってことは二人の子どもをしっかりと養ったり、絶対に守ったり、どんな夢でも応援したりできる器の女にならなくては」ということを常に考えていて、それはノルマであり、課題だった。
理想的に育てるのならば幼児一人につき大人一人
二人目を産むこと自体は嫌じゃなかった。息子を産んでみて、自分の子どもはすごく可愛いことが分かったし、育てることはとても楽しいことだと知ったから、経済力が追いつくのであれば何人だって産みたいし、チャンスがあれば「一生子育てをしていたい」と感じたほどだった。
だけど同時に、乳幼児の生態と育児の実態を知れば知るほど「二人以上の子どもを同時期に育てる方法がわからなすぎる」とも思うようになった。
いや、物理的にはわかるのだけど、理想的に育てる方法が、まったく見えなかった。
というのも、どう考えても、理想的に育てるのならば幼児一人につき大人一人つかないと厳しい。そうじゃないと、ちゃんと子どもの気持ちを大切にしたり、まともに安全を確保できる気がしない。
だってまず、息子はいつも、こちらの状況などお構いなしに自分のタイミングだけで「ママ!ママ!」と私のことを求めてくる。もし、そういう子どもが二人以上いたら、どうやって対応をすればいいのだろう。どうしたって、どちらかは後回しになるはずだ。
それに、安全面もすごく不安。子どもが1人しかいない今は、大人たちが気をつけていればいろんな危険を予防できる。だからこそ息子はこれまで大きなケガをすることなく育っている。
だけど、活発な幼児のいる環境で赤ちゃんを育てるとなると、それは危険度がかなり高い。
「ドアを勢いよく開けちゃダメだよ」とか「向こう側に赤ちゃんがいないかをまず確認してからドアを開けてね」とか「小さいものを赤ちゃんの手の届くところに置かないでね」とか、そんな複雑なルールは幼児には守れないと思うし、そんなところまで気が回らないのは子どもとして当然。
だから、子どもが原因で赤ちゃんに対してどんな事故が起きても、子どもは何も悪くない。全ては、大人が気をつけまくるしかない。
確実に、夫婦仲は悪くなっていく
だけど、それを自分1人でやることになったら、私はきっと相当疲れる。疲れるということは不機嫌になるから、些細なことも気に障るようになる。
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