カレー沢薫
その饅頭のなかには「虚無」が入っていたそうだ【鹿児島県・かるかん】
無職の漫画家・カレー沢薫氏が「部屋から一歩も出ずに全国津々浦々の食い物を手に入れ、部屋から一歩も出ずに食う」試み……それが「ひきこもりグルメ紀行」! 今回のテーマ食材は鹿児島県の「軽羹(かるかん)」。山芋の風味にもっちりとした食感が人気の銘菓ですが、どうやら「私の知っている軽羹とは違う」現象が起きたようで……。カレー沢氏、「軽羹」の過去に思いを馳せる――。
今回のテーマは「軽羹(かるかん)」である。
軽羹は食べたことがあるので「なるほど、軽羹か」と思い、とりあえず食べてみたのだが、二口目当たりで、違和感に気付いた。
「軽羹ってあんこが入っていなかったか?」と。
その軽羹はあんこが入っていない代わりに「虚無」が入っていた。
つまり饅頭で言えば皮だけである。
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この連載について
カレー沢薫
「ひきこもりグルメ紀行」とは、無職の漫画家・カレー沢薫氏が「部屋から一歩も出ずに全国津々浦々の食い物を手に入れ、部屋から一歩も出ずに食う」試みである!
著者プロフィール
1982年生まれ。OL兼漫画家・コラムニスト。2009年に『クレムリン』(講談社)で漫画家デビュー。自身2作目となる『アンモラル・カスタマイズZ』(太田出版)は、第17回文化庁メディア芸術祭審査委員会推薦作品になぜか選出され、担当編集ならびに読者が騒然となった。雑誌『Hanako』(マガジンハウス)をはじめ多くの連載を抱え、日々、Twitterでのエゴサーチと読者交流を欠かさない。単行本発売後、文庫化もされた初のコラム集『負ける技術』(講談社)が続々重版中。