電力会社が“商社機能”
LNG価格を適正化へ
電力会社の調達姿勢もようやく変わり始めた。
「今は、原油と連動したLNG価格に経済的な合理性はない」
東京電力の新組織体制で火力・燃料部門のバイスプレジデントに就任した中村直執行役員は指摘する。原油と連動したLNG価格は市場が小さく、原油価格が安定していた時代はそれなりの合理性があった。だが、投機マネーが原油市場に流入し、高騰する中では全く需給を反映していない。世界中でガス取引が増えるにつれ、石油メジャーなどが「売り手市場」を堅持するための道具となった。