意識高い系の人が、思い込みの世界に踏み入れる瞬間

人間にとって『居場所が無い』という痛みは非常に苦しく、時に、犯罪をしてでも、それを取り去ろうとする人もいます。例えば、英語も話せず、正規の仕事につけず、仲間もいないアメリカの若者は、ためらいつつも、『自分の居場所』を提供してくれるからマフィアに入る事も多いと言われています。『自分の居場所はどこにある?』は、放置すると恐ろしい『居場所の無い痛みの解消』について、深く考える連載です。

健全な居場所の変質に注意

先ほど例として紹介した、虚構の居場所に依存する芸能人の卵たちも最初からそこにいたわけではありません。かつて健全だった人間関係が変質してしまったにすぎません。

ビジネスマンの人間関係においても、似たようなことはよく起きています。実際、私が会話術の講師として独り立ちを考え始めたときに、このような虚構の居場所に飲み込まれそうになったことがあります。

当時、私は即興コントやアドリブトーク術を教えるスキルや放送作家として書く技術は持っていました。しかし、ゼロから教育ビジネスを立ち上げた経験もノウハウもありません。ですから、そういったことを教えているコンサルタントが主催する勉強会などに顔を出していました。

すると、起業という同じ目標に向かって志高く、バイタリティを持った方々との多くの出会いがありました。その中で本心をぶつけられる人間関係を見つけ、そこで私は放送作家や会話講師ではなく、「見習い起業家」という新たなキャラクターを見つけました。

しかし、その居場所自体が、虚構の世界に沈んでいくことがあるのです。起業を目指すビジネスマンにありがちなのは、あらゆるセミナーに出て、講師の良し悪しを吟味しているだけなのに、起業で成功し始めているような錯覚に陥ってしまうことです。

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自分の居場所はどこにある?

渡辺龍太

人は居場所が無いと、とにかくツラい。人によっては、ホストクラブに大金を貢いだり、犯罪に手を染めたり、あるいは、自殺する人もいる。その痛みを解消するために、参考になるのが『即興演劇論』だ。即興演劇の世界では、役者は台本も無いのに舞台に立...もっと読む

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