「そんなの常識だろ。考えるまでもないよ」──
「いまさらなに言ってるの? 常識的に考えたら当たり前でしょ」──
なにかというとすぐ「常識」のひと言を持ち出して、こっちの意見を否定してくる人、いますよね。
「新しいアイディアを出せ」「これからの時代は古い考えに縛られるな」などと口では言うくせに、実際にアイディアを出してみたら「いやー、さすがにこれは、常識的にありえないよ」と却下。これでは、やる気も失せます。
つい「そんな常識、だれが決めたんですか?」と食い下がりたくもなります。 「新しいアイディアを出せって言ったじゃないですか」と突っ込んだり、「常識そのものを疑わないと」と真正面から立ち向かったり。
ですが、そういった努力はたいていムダに終わりますよね。
「まだ若いな」と鼻で笑われたり、「限度ってものがあるだろう」とイヤミを言われたりして、さらに嫌な気分に。
では、こうした「常識モンスター」に立ち向かうには、どうすればいいのでしょうか?
なにか打開策はあるのでしょうか?
◆「常識人」は自分の頭で考えたくないだけ
なにかと常識を振りかざす人は、実は、単に自分の頭で考えるのを、サボっているだけです。
考えたくない、考えるのがめんどう。だから、とりあえず「常識」という便利ワードにすがっている。
そもそもの話、その常識がほんとうに正しければ、こちらも納得できます。
ですが、こういう人の言う常識は、まずあてにならない。古い常識だったり、一部でしか通用しないルールだったりします。
こういった人たちが一番したくないこと、それが「議論」です。
「逆に、海外では常識です」「常識を打ち破らないと!」などと、正論をぶつけても、徒労に終わります。また、「調査ではいい結果が出てます」「先方とは話がついてます」など、外堀を埋めて説得するのも難しいでしょう。
なぜなら、そんな意見に耳を傾け、いちいち自分の頭で考えるなんて、めんどくさくてしかたないからです。
「あー、うるさい、うるさい」と追い払われ、最後は「アイツはモノを知らない」と陰口をたたかれるのがオチです。決して、態度を変えてくれることはないでしょう。
cakesは定額読み放題のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。cakesには他にも以下のような記事があります。